1998 Fiscal Year Annual Research Report
成人T細胞白血病の病型進展時にみられるプロウイルス及び細胞ゲノムの変異の解析
Project/Area Number |
09671122
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
朝長 万左男 長崎大学, 医学部, 教授 (40100854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚崎 邦弘 長崎大学, 医学部, 助手 (40274659)
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Keywords | 成人T細胞白血病・リンパ腫 / HTLV-I / 多段階発癌 / 癌抑制遺伝子 |
Research Abstract |
平成9年度までに経時的に集積した低悪性度(慢性型またはくすぶり型)ATLから急性転化した症例の腫瘍細胞を用いて、ATL多段階発癌の後期の悪性形質獲得における外来遺伝子human T-lymphotropic virus type-1(HTLV-1)と細胞性の癌抑制遺伝子の関連性につき検討した。 低悪性度ATLから急性転化した13症例で経時的にHTLV-1の組み込みにつき検討したところ、3例で組み込み部位が変化した。うち2例ではTCRβの再構成バンドも変化しており、これらの変化は低悪性度ATLの時期とは異なるATL細胞クローンが急性転化時に出現(clonal change)したことによると考えられた。残りの1例のTCRβ鎖の再構成バンドは同一サイズであり、clonal evolutionによることが示された。 急性転化した5症例では経時的にp15/p16の変異につき検討したところ、全例で低悪性度ATLの時期には変異は認めなかったが、急転後は3例でp15/p16が欠失した。この3例中2例でHTLV-1を検索したところ、それぞれ急転の前後で組み込み部位は不変であり、p15/p16の変異はclonal evolytionによることが示された。今回の検索では、急性転化に伴うRbの変異は認めなかった。 急性転化というATL後期の悪性形質獲得の一部において、clonal changeがおきたことは多くの自然発生癌の多段階発癌におけるクローン進展とは明らかに異なっており、免疫不全患者における免疫グロブリン遺伝子の再構成パターンによって証明された多クローン性Epstein Barr(EB)ウイルス関連Bリンパ腫に類似している。ウイルス発癌の特異性を示す現象として注目される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kunihiro Tsukasaki: "Integration Patterns of HTLV-I Provirus in Relation to the Clinical Course of ATL;Frequent Clonal Change at Crisis from Indolent Disease" Blood. 89・3. 948-956 (1997)
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[Publications] Yasuaki Yamada: "Deletions of p15 and/or p16 genes as a Poor-Prognosis Factor in Adult T-cell Leukemia" Journal of Clinical Oncology. 15・5. 1778-1785 (1997)