1998 Fiscal Year Annual Research Report
HIVベクターを用いた変異ケモカイン遺伝子導入によるAIDSの遺伝子治療
Project/Area Number |
09671126
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小原 健志 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (90281211)
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Keywords | HIV-1 / ケモカイン / LD78 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
ヒト末梢血単球より抽出したDNAを用い、LD78遺伝子(2264BP)をPCRにより増幅し、TAクローニングベクターを用いてサブクローニングしMsp1などの制限酵素で分類し、塩基配列を全て決定したところ、LD78遺伝子ファミリーの遺伝子は10個以上の遺伝子群でありLD78遺伝子と93%から98%の相同性を持つことが明かになった。93アミノ酸残基中21、22、25、62、70番目のアミノ酸残基が異なることが明らかになった。21番目と22番目のアミノ酸残基をもとにLD78-A群及びLD78-B群に分類した。LD78-A群、LD78-B群の蛋白を酵母で発現させ機能を比較したところ、LD78-B群は、LD78-A群の蛋白より、抗ウイルス活性が著明に強いことが明らかになった。また、CCR5をdown-regulationする作用も、LD78-B群は、LD78-A群の蛋白より約20倍強いことが明らかになった。一方では、IL-1,TNF-aを誘導する作用があり、炎症誘導とHIV-1複製抑制という相反する性質をもつ、そこで現在、LD78-A.LD78-Bのキメラ蛋白を大腸菌で発現させ、強い抗ウイルス活性を発揮する部位、CCR5をdown-regulationする部位、及び炎症誘導作用を持つ部位の同定を行っている。これらの結果をもとに炎症誘導作用を持たず、強い抗ウイルス活性をもつ変異体を作成しHIVベクターに導入する予定である。
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Research Products
(2 results)