1998 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫性溶血性貧血における自己抗原の特定とエピドープ解析
Project/Area Number |
09671129
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Research Institution | Jichi Medical School |
Principal Investigator |
梶井 英治 自治医科大学, 医学部, 教授 (40204391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近江 俊徳 自治医科大学, 医学部, 助手 (40296091)
奥田 浩 自治医科大学, 医学部, 助手 (50285772)
岩本 禎彦 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10232711)
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Keywords | 自己免疫性溶血性貧血 / Rhポリペプチド / Rhシステム / Rh抗原 / 自己抗原 / エピトープ / 自己抗体 |
Research Abstract |
自己免疫性溶血性貧血(AIHA)における自己抗体の特異性を同定し,抗原分子のエピトープを決定することは,臓器特異的自己免疫性疾患における特定の生体構成成分に対する免疫寛容の破綻機序を探るために重要なアプローチである。そこで,申請者らは自己抗原の特異性を特定する目的で,リコンビナントRhcEならびにRhD発現細胞を作成し,これらを用いて,フローサイトメトリーで抗赤血球自己抗体の特異性解析を試みた。解析した21例の自己抗体中9例はRhcEと明らかに反応した。3例の自己抗体はRhDとの反応が認められたが,2例はRhcEとも反応した。また,3例のCoombs陰性AIHAのうち1例において,RhcEパネルセルとの反応性が認められた。さらに,アルドメットによる薬剤性AIHAと診断された症例の自己抗体もRhcEと特異的に反応した。21例中10例(47.6%)の自己抗体にRhポリペプチドとの反応性が認められたことになり,温式AIHAの主要自己抗原としてRhポリペプチド,とりわけRhcEポリペプチドが重要な役割を演じていることが明らかになった。また,他のRh抗原発現細胞を加えた解析の結果,これらの自己抗体の認識エピトープは,Rh抗原特異的エピトープではなく,Rhポリペプチドに共通するエピトープであることが示唆された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Omi T,et al: "The genomic organization of the partial D category D^<va>.The presence of a new partial D associated with the D^<va> phenotype." Biochem Biophys Res Commun. 254. 786-794 (1999)
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[Publications] Iwamoto S,et al: "Identification of 5'flanking sequence of RH50 gene and the core region for erythroid-specific expression." Biochem Biophys Res Commun. 243. 233-240 (1998)
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[Publications] Iwamoto S,et al: "Expression analysis of human rhesus blood group antigens by gene trannsducion into erythroid and non-erythroid cels." Int J Hematol. 68. 257-268 (1998)
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[Publications] Kawano M,et al: "A splicing mutation of the RHAG gene associated with the Rh null phenotype." Ann Hum Genet. 62. 107-113 (1998)
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[Publications] Okuda H,et al: "The RHD gene is highly detectable RhD-negative Japanese donors." J Clin Invest. 100. 373-379 (1997)
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[Publications] 梶井英治 他: "血液症候群-クームス陽性自己免疫性溶血性貧血" 日本臨床 別冊 領域別症候群シリーズ. 20. 353-356 (1998)
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[Publications] 梶井英治: "Annual Review 血液1999" 温式自己免疫性溶血性貧血の自己抗原, 15 (1999)
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[Publications] 梶井英治 他: "厚生省特定疾患血液系調査研究班平成9年度業績報告書" リコンビナントRh抗原発現細胞を用いた抗赤血球自己抗体の特異性解析, 2 (1999)