1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671131
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Research Institution | JICHI MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
室井 二男 自治医科大学, 医学部, 講師 (50190939)
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Keywords | 糖鎖 / 抗体 / 単球 / CD34 / 分化 |
Research Abstract |
昨年の研究で、I抗原は単芽球から単球に発現し、sialosyl-I抗原は、骨髄のCD34陽性のCFU-GM、単芽球、単球に発現することを見いだした。G-CSFで動員された末梢血のCD34陽性細胞は、sialosyl-Iをほとんど発現しないことを見いだした。また、I抗原は、正常リンパ球やリンパ性白血病細胞にも発現することを見いだした。本年は、1.macrophageや樹状細胞の分化とI,sialosyl-Iの発現との関係を検討した。2.正常のB前駆細胞であるCD19陽性CD34陽性細胞におけるI,sialosyl-Iの発現を検討した。3.I抗原の基本構造であるi抗原の血液細胞における発現を検討した。1.に関しては、末梢血単球をpanningを用いて濃縮後、GM-CSFまたはM-CSF存在下に培養し、macrophageへ分化させた。また、濃縮した単球をIL-4,TNFα,SCF存在下に培養し樹状細胞へ分化させた。GM-CSFで誘導されたmacrophageではI発現は増加したがsialosly-Iの発現は低下した。M-CSFで誘導されたmacrophageでも、同様の結果が得られた。IL-4+TNFα+SCFで誘導された樹状細飽では、Iとsialosyl-Iの発現は低下した。2.に関しては、健常ヒト骨髄単核細胞から磁気ビーズを用いてCD34陽性細胞を濃縮し検討した。B削駆細胞であるCD34陽性CD19陽性細胞は、I,sialosyl-Iを発現していなかった。3.に関しては、i抗原に特異的に結合するレクチンであるDSAを用いて検討した。i抗原は、CD34陽性細胞、好中球、単球、リンパ球、骨髄性白血病細胞、リンパ性白血病に広く発現していた。以上から、i抗原は、血液細胞に広く発現しているが、i抗原の分枝型であるI抗原とI抗原にシアル酸が付いたsialosyl-Iは、血液細胞の分化に伴い特異的な細胞系列に特異的に発現するが、その前駆体であるi抗原は広く血球に発現することが明らかとなった。
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