1998 Fiscal Year Annual Research Report
造血器腫瘍患者の樹状細胞に関する研究(その性状と機能の解析)
Project/Area Number |
09671138
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
緒方 清行 日本医科大学, 医学部, 講師 (20169171)
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Keywords | 造血器腫瘍 / 樹状細胞 / 細胞機能 |
Research Abstract |
前年度より継続し、多数の造血器腫瘍患者および正常者末梢血20mlより、フィコール比重遠心法、Tロゼット形成法、デイシュ付着法、メトリザマイド比重遠心法を順次用いて、(一部の例ではさらにセルソーテイングを用いて)、樹状細胞(dendritic cells,DC)を精製し以下の結果を得た。 (1)末梢血単核球の0.5-3%がメトリザマイド比重遠心後に回収され、このメトリザマイド画分の15-40%がCD83陽性(DC)であった。 (2)このCD83陽性細胞は、adhesion molecules(CD11a,CD54,CD58),costimulatory molecules(CD80,CD86,CD40),HLA(DR,DP,DQ)を高率に発現しており、この点に関して正常者を患者との間で大きな差異はなかった。 (3)正常者のT細胞を標的としたリンパ球混合培養法でDCの活性を測定したところ、一部の血液腫瘍に限ってDC活性の顕著な低下を認めた。活性低下のみられた例では、セルソーテイングを用いてCD83陽性細胞のみを分取しその活性を測定したが、やはり顕著な低下を示した。これらの例のCD83細胞は、(2)で述べた細胞表面抗原に異常はなかった。 (4)低下しているDC活性が、サイトカインなどの添加で回復するかどうかを検討したが、現在までの検討では有意な活性の回復は認めなかった。現在、DCが腫瘍性クローンに由来しているか否かを検討中である。
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