1997 Fiscal Year Annual Research Report
微小残存白血病(MRD)形成におけるMRP-1/CD9の機能解明
Project/Area Number |
09671141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tazuke Kofukai Medical Research Institute |
Principal Investigator |
八木田 正人 財団法人田附興風会, 医学研究所・第2研究部, 部長 (60220125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 正幸 財団法人田附興風会, 医学研究所・第5研究部, 部長 (90250076)
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Keywords | MRP-1 / CD9 / AML患者予後 / 微小残存白血病 |
Research Abstract |
今回、我々は平成9年度に急性骨髄性白血病(AML)におけるMRP-1-CD9分子の発現の病態的意義を解明する目的でMRP-1/CD9発現と白血病患者予後との相関を検討した。 これまでAML17例におけるMRP-1/CD9発現(Flow cytometryによる)は11例において腫瘍細胞の50%以上が陽性であった。FAB分類別にみると、AML-M1の4例中3例、AML-M3の4例中全例、AML-M6の6例中4例がMRP-1/CD9陽性であったが、AML-M2では3例中全例が陰性であった。臨床予後との相関を見ると、AML-M1およびAML-M3においてはMRP-1/CD9陽性例全例が1年以内に再発をきたしていた。AML-M4においてもMRP-1/CD9陽性例に寛解不成功例および再発が多く観察された。まだ症例数が少なく統計的有意差は検定できないが、これまでの結果は白血病においてMRP-1/CD9の発現自体が病気の再発進展に係わっている可能性を示唆した。従って、我々はMRP-1/CD9発現とAML患者予後に関する多施設協同研究(関西医科大学第一内科、神戸市中央市民病院、田附興風会医学研究所による)を平成10年度より開始した。今後、症例数を増やし、MRP-1/CD9発現とAMLの予後に関してprospectiveおよびretrospectiveに検討を加えるつもりである。また、患者により得られた白血病細胞および剖検例切除標本において、MRP-1の発現をmRNAおよび蛋白レベルで検討し、MRP-1と微小残存白血病の形成との相関を平成10年度に検討する予定である。
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