1997 Fiscal Year Annual Research Report
ラットおよび腎糸球体における各種脂質結合蛋白の生化学的、組織化学的検討
Project/Area Number |
09671159
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
木村 秀樹 福井医科大学, 医学部・附属病院 検査部, 助手 (20283187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 博 新潟大学, 医学部・生化学第二講座, 助教授 (90165340)
鈴木 亨 福井医科大学, 医学部・臨床検査医学, 助教授 (00206484)
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Keywords | 腎糸球体 / 脂質結合蛋白 / 糸球体上皮細胞足突起 |
Research Abstract |
1.正常腎糸球体での各種脂質結合蛋白発現の検討 (1)WKYラットから単離糸球体を採取し、mRNAを抽出後、reverse transcriptaseを用いてcDNAを作製した。ラットにおけるアシルCoA結合蛋白(ACBP)、リン脂質転送蛋白(PITP)、コレステロール転送蛋白(SCP2)、レチノール結合蛋白(CRABP)各々のプライマーを作製し、糸球体cDNAを鋳型としてPCRを施行した。その結果、いづれの蛋白も、糸球体にmRNAとして発現していることが判明した。また、各々のPCR産物をpGEM-Tベクターに組み込み、サブクローニングを行った。現在は、個々のPCR産物の塩基配列の決定を行っている。塩基配列を検討後、今後の検討でノーザンブロティング法、in situ hybridization法に用いる予定である。 (2)各種脂質結合蛋白の抗体作製については、PIPTとSCP2の抗原性の高い部位を選択し、合成ペプタイドを作製し、現在家兎に免疫中である。 2.糸球体上皮足突起に特異的に発現する FABPの関連蛋白(110kDa蛋白)の解析 (1)糸球体上皮足突起に特異的に発現するFABPの関連蛋白をヒトとラット単離糸球体から2次元電気泳動法にて分離後、電気的溶出法を用いて精製した。蛋白分解酵素で分解後、断片を液体クロマトグラフィーで分取した。現在、部分アミノ酸配列を決定中である。 (2)次年度は、精製蛋白を大量に調整し、より多くのアミノ酸配列の情報を確保する。 3.アポE蛋白の腎糸球体からの検出と遺伝子多型の解析 (1)糸球体硬化との関連が示唆されているアポE蛋白が、単離糸球体内に存在することが判明した。アポE蛋白の遺伝子多型が腎症進展と関連する可能性があるため、臨床研究として、同多型と糖尿病腎症進展との関連を検討した。その結果、アポE4型の保因者で、腎症の進展が遅延すること分かった(Am J Kidny Dis,1998)。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Kimura: "Apolipoprotein E4 reduces risk of diabetic nephropathy in patients with non-insulin-dependent diabetes mellitus." American Journal of Kidney Disease. 31. 1-8 (1998)
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[Publications] 木村秀樹: "腎症の発症・進展と遺伝子多型性との関連" 日本腎臓学会誌. 39. 206 (1997)