1998 Fiscal Year Annual Research Report
尿細管間質障害の免疫学的機序の解明. -ノックアウトマウスによる検討
Project/Area Number |
09671168
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福田 恭一 九州大学, 医学部, 助手 (90294925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平方 秀樹 九州大学, 医学部, 助教授 (70181146)
岸原 健二 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (80214774)
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Keywords | ノックアウトマウス / 尿細管間質障害 / 細胞性免疫 / 増殖因子 / T細胞レセプター |
Research Abstract |
1. 尿細管間質障害モデルの作成 ノックアウトマウスの尿細管間質障害の検討のために、まず正常マウスに片側尿管結紮を行うことにより尿細管間質障害モデルを作成した.このモデルでは間質の線維化および著明な細胞浸潤が認められたため、この浸潤細胞の種類を同定する目的でフローサイトメトリーを行った.細胞表面抗原としてCD3(T細胞)、Mac-1(マクロファージ)、Gr-1(顆粒球)を用いた結果では、対照マウスに比較してCD3陽性分画の細胞の増加は見られず、CD3陰性、Mac-1陽性、Gr-1陰性の分画の細胞が2倍程度に増加していた.昨年度施行したCD3の免疫染色の結果(陰性)とあわせると浸潤細胞は主としてマクロファージであると考えられた. 2. CD4、CD8ノックアウトマウスにおける検討 CD8ノックアウトマウスに尿管結紮モデルを作成した昨年度の実験では、対照マウスとの間に明らかな組織学的な差は見られなかった.そこで今回CD4ノックアウトマウスにおいても同様に尿管結紮モデルを作成したが、間質線維化尋尿細管拡張などの点において対照マウスとの間に組織学的に有意な差は見られなかった.またRT-PCRによる腎組織TGF-β mRNAの発現量の比較においても、CD4あるいはCD8ノックアウトマウスと対照マウスとの間には有意な発現量の差は認められなかった.したがってこのモデルにおいてはCD4、CD8T細胞の尿細管間質障害への関与は小さいことが示唆された. 3. CD45ノックアウトマウスにおける検討 CD45ノックアウトマウスではT細胞レセプターを介したシグナル伝達が障害されていると考えられる.現在、このマウスに片側尿管結紮を行って尿細管間質障害モデルを作成し、対照マウスとの間で組織学的にその差違を検討している段階である.
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