1997 Fiscal Year Annual Research Report
リドル症候群の遺伝子解析と食塩感受性高血圧におけるNaチャネル異常についての検討
Project/Area Number |
09671170
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岩岡 大輔 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (30184857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 公夫 熊本大学, 医学部, 教授 (40114772)
徳永 寛 熊本大学, 医学部附属病院, 医員
直海 晶二郎 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (60244117)
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Keywords | リドル症候群 / Naチャネル |
Research Abstract |
臨床的にLiddle症候群と診断された発端者の男性とその家系4例の計5例と,正常コントロール6例より白血球を採取してgenomic DNAを抽出した。上皮型NaチャネルβおよびγサブユニットのC端側領域をプライマーとしてPCRにて増幅後、direct sequencingを行なった。発端者ではβサブユニットの615番目のProがSerに変わる新しいミスセンス変異を見いだした(CCC→TCC)。しかし、既報のβサブユニットの6ケ所、γサブユニットの1ケ所には変異を認めなかった。発端者の家系4例中3例には同一の変異を認めたが、他の1例とコントロール6例にはいずれの変異も認めなかった。変異を認めた3例はいずれも高血圧と低K血症を認め、Liddle症候群と考えられた。変異を認めなかった1例は高血圧であるが、正常K血症で4人の子供はいずれも正常血圧であることから、Liddle症候群ではないと考えらえた。以上より、P615Sの変異はLiddle症候群に特異的であると考えられた。遺伝子変異はallele-specific amplificationによっても確認され、変異を持つ4例では野生型と変異型のプライマーでPCR産物を認めたが、変異のない1例では野生型のプライマーのみでPCR産物を認めた。 現在、P615Sのミスセンス変異が実際に上皮型Naチャネルの機能亢進を起こすか否かを確認するための発現実験を行っている。βサブユニットにミスセンス変異(P615S)を含むDNAを核内に注入用プラスミドにサブクローニングしてアフリカツメガエルの卵母細胞に注入する。Voltage clamp法によりアミロライド名受精Na電流を測定し、野生型と比較中である。
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