1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671172
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
宮田 幸雄 自治医科大学, 医学部, 助手 (00285777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 重明 自治医科大学, 医学部, 講師 (40190855)
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Keywords | メサンギウム細胞 / NaH交換輸送体 / 高浸透圧 / Cl濃度 |
Research Abstract |
前年度に引き続いてラット腎メサンギウム細胞(MC)における細胞内PH(PH_i)の制御,特に細胞外高浸透圧に対するNa/II交換輸送体活性(NHE)への影響とその機序につき以下の結果を得た. 内因性細胞内緩衝力はpH_iと負の相関関係を認めた.CO_2/HCO^-free溶液を用いて,細胞外液よりNa^+を除去するとpH_iは低下し回復しなかった.細胞外にNa^+を戻すとpI-H_iは上昇したがEIPAで抑制された.従って,NHEの存在が確認できた.細胞外Cl存在下,非存在ではNa^+依存性pH_iの回復に差はなかった.浸透圧をマンニトールまたはNaClにより500mOsm-/KgH_2Oとした細胞外液とすると細胞内アルカリ化がみられた.一方,Urcaによる高浸透圧刺激では細胞内アルカリ化はなかった.細胞外液よりNa^+を除去するとpH_iは低下した.そこにマンニトールによる高浸透圧刺激を加えてもpH_iは上昇しなかったが,Na^+を戻すとpH_iは急速に上昇した.pH_i,とJ_H,との関係は高浸透圧刺激下では右にシフトした.高浸透圧刺激による細胞内アルカリ化は細胞外Cl^-濃度に依存しIC_<50>は69.2mMだった。細胞外液のCl^-を,他の陰イオンで置換すると,I^-,Br^-,SCN^-では高浸透圧刺激により細胞内アルカリ化がみられた.ところがF^-に置換すると細胞内酸性化がおこり,その後高浸透圧刺激をするとpH_iは回復上昇した.initial J_Hを比較すると,Cl≧Br≧I>SCN>Fだった. 以上より等張浸透圧下では細胞外Cl濃度とは独立してNHEは制御されるのに対し,高浸透圧刺激下では細胞外Cl^-に依存して制御されていることがわかった.
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