1998 Fiscal Year Annual Research Report
機能抑制抗原Ly-49AのDNA結合蛋白を介したメサンギウム細胞動態の制御
Project/Area Number |
09671175
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
長澤 龍司 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (70146794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 直記 東京都老人総合研究所, 分子病理部門, 部長 (00115940)
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Keywords | メサンギウム細胞 / NK細胞 / Ly-49A / 発現調節 / DNA結合蛋白 |
Research Abstract |
我々は、マウスTリンパ腫EL-4細胞の細胞表面抗原を解析した結果、新たな抗原を世界に先駆けて発見し、A1と命名した。その後の検討で、A1はNK細胞上にも存在すること、NKが標的細胞上の特定の腫瘍組織適合抗原を認識するときにA1を使用すること、その際にA1は細胞内に負のシグナルを送りNK細胞の活性を制御すること、シグナルには細胞内のITIMを使用することなどが判明した。のちにA1はallotypicな分布を示すことより、Ly-49Aと命名された。私たちはこのリンパ球のLy-49Aの発現調節に興味を持ち、研究を進めてきた。まず最初にTリンパ腫EL-4のLy-49Aのgenomic DNAを明らかにし、ついで最近、5'側の発現調節領域を検討した。この部をreporter gene assayにより詳細に解析したところ、Ly-49Aの発現を規定するさらに新たに13塩基配列(bp)が存在することが判明した。この13bpに結合する蛋白の遺伝子をEL-4より得られたcDNA libraryを用いてSouth-Western方により解析した結果、発現調節蛋白のATFIIであることが判明した。ラット培養メサンギウム細胞やラット腎組織においてLy-49A発現は認められない。しかしNorthern hybridizationによりこれら腎組織におけるLy-49A遺伝子結合蛋白遺伝子ATFIIの発現を検討すると、そのいずれにおいてもmRNA発現が認められた。正常リンパ球においてもATFIIのみではLy-49A発現に至らないことから、その発現にはさらに別のcofactorが必要と推定し、実験を進めている。また、ITIMをタグとしてラット腎組織をクローニングすると、Ly-49AファミリーのLy-49CのmRNAが検出されるので、この発現調節にATFIIが関与しているかを検討中である。
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[Publications] S Kubo, R Nagasawa, et al: "ATF-2-binding regulatory element is vosponsible for the Ly49A expression in murine T lymphoid line, EL-4" Biochimica et Biophysica Acta. 1444. 191-200 (1999)