1997 Fiscal Year Annual Research Report
変異挿入により生じた新たな嚢胞腎トランスジェニックマウスの分子生物学的検討
Project/Area Number |
09671183
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
土谷 健 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00246472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 尚彦 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70191525)
望月 俊雄 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00277120)
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Keywords | 嚢胞腎 / トランスジェニックマウス / Na / K ATPase |
Research Abstract |
挿入変異により生じた左右内蔵逆位、嚢胞形成腎を有するトランスジェニックマウスの組織学的、分子生物学的検討をおこなった。 1)候補遺伝子の決定 マウス胎児ライブラリーを挿入geneをマーカーとしてスクリーニングすることにより、転写領域の全長のcDNAをクローニングすることに成功した(投稿中)。細胞質内に局在する蛋白をcodingする可能性が考えられた。臓器別のmRNAの発現についてNorthern解析を行ったが、心臓、肝臓、腎臓でのシグナルが強陽性であった。発達学的には、胎生3日以降の発現が確認された。 全長cDNAの塩基配列およびアミノ酸配列が決定されたため、そのhomology検索を行うとともに、アミノ酸配列を基に抗体の作製を開始した。 また、得られたマウスのクローンをprobeとして、ヒト腎ライブラリーをスクリーニングし、homologueを得た。今後、ヒト遺伝子cDNAの全長を決定する予定である(分担者 望月)。 全長cDNAをexpression vectorにサブクローニングし、今後、gene rescueを行い、形質の発現と本geneの直接的な関係を証明する予定である(分担者 横山)。 2)嚢胞腎の組織学的検討 胎生20日のhomozygoteの個体の腎の組織標本を作製した。嚢胞は主として遠位部尿細管を中心に形成されていた。電子顕微鏡的にも上皮細胞の偏平化、核の位置異常、microvilliの減少が観察された。膜蛋白であるNa/K ATPaseの免疫組織学的検討では、alpha,beta両subunitの染色性が、嚢胞の形成、進展とともに弱まっていくことが確認された。現在、他の膜蛋白の局在、細胞外基質などの染色を行っている。今後、特異的抗体が作製されれば、その染色性も確認する予定である。
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