1997 Fiscal Year Annual Research Report
人間の個体発生過程における微量元素の推移とその生物学的意義
Project/Area Number |
09671198
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
仁志田 博司 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80104553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 尚人 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50197159)
中林 正雄 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70114585)
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Keywords | trace elements / trace mineral / stable isotope / neonate / SIDS |
Research Abstract |
目的:生体内におけるセレンや亜鉛などの微量元素が酵素活性などの生理的機能に関与している事が知られているが、その他の多くの微量元素に関しては不明な点が多い。本研究はそのような微量元素が個体発生過程にどのような生物学的意義を持つか、その初期段階にある胎児や新生児において検討することを目的とした。 方法及び対象:微量元素の測定法および資料作成法を文献上で検討し、資料は硝酸処理後の石英管内で凍結乾燥し、放射化分析で測定可能であることを確認した。生体資料は突然死症候群及び先天性心疾患で長期治療を受けずに死亡した各2症例において家族の承諾を得た後、病理解剖組織片約0.5グラムを用いて作成したが、測定は明年度行うこととした。また、多くの安定同同位元素も生体の中に微量に含まれており、特に^<13>Cは自然存在率が約1%であり生体内の炭素においても1%前後含まれているところから、微量元素測定の予備実験として^<13>C標識glycineを用いて入院中の低出生体重児4例(在胎週数34-39週、体重1916-2230グラム)において^<13>C呼気試験を行った。 結果:上記生体資料は東海村日本原子力研究所において放射化分析用資料に加工され待機中である。^<13>C呼気試験においては^<13>CO_2excretion peak値は平均7.64%dose/hr.でありcumulative%doseは360分値で平均25.3%doseであった。以上より、新生児においても微量の安定同位元素測定は可能である事が示された。また生体資料における微量元素測定の基礎的準備を整える事が出来た。
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