^<11>C-Methionine PETを用いた食道癌のアミノ酸代謝評価と臨床応用

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09671210
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
• Research Institution: Chiba University
• Principal Investigator: 岡住 慎一 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (10272311)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 小出 義雄 千葉大学, 医学部, 助手 (80201482) ; 福長 徹 千葉大学, 医学部・附属病院, 医員 ; 松原 久裕 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (20282486)
• Keywords: ^<11>C-Methionine / PET / esophagus / cancer / chemotherapy

Research Abstract

[目的]^<11>C-Methionineをトレーサーとしたpositron emission tomograpyh(PET)を用いて腫瘍部Methionine代謝を in vinoにて評価し、また、化学放射線療法の効果と比較しその臨床有用性を検討した。
[対象]進行食道癌症例32例。
[方法]院内小型サイクロトロン(CYPRIS)を用いて^<11>Cを製造し、合成装置にてヨウ化メチル法で^<11>C-Methionineを合成後、約10mCi(370MBq)を静注、30分後にPET装置にて腫瘍部の横断像を撮像した。局所の^<11>C-Metyionineの集積度は、dIfferential absorption ratio(DAR)を用いて定量化した(右式)。DAR=(体重(kg)×PET画像上の放射能濃度(cps))/(投与量(mCi)×calibration factor)
対象中16例には化学療法(CDDP:80〜100mg/m^2(dayl)あるいは10から20mg/body(dayl-5)、5-FU:600〜800mg/m^2(dayl-5))を施行し、うち12例には放射線放射30〜50Gyを併施した。治療終了2週間後に、食道造影の2方向測定による腫瘍縮小率を算出し、治療前に測定し腫瘍部^<11>C-Methionine集積度との関係を検討した。
[成績]腫瘍部は全例高集積像を示し、^<11>C-Methionine集積度(DAR)は6.05±1.88と、非癌部の1.82±0.60に対し有意に高値であった(p<0.01)。治療後の縮小率は57.4±23.35(%)であり、集積度と縮小率に相関を認めた(p<0.01,r=0.70)。
[結論]食道癌症例における腫瘍部Methionine代謝は非癌部に比し有意に亢進し、非癌部の約3〜6倍を示した。このMethionine代謝の多寡は、CDDP・5-FU・放射線合併療法において、腫瘍縮小率との間に相関関係を示した。本法による治療前感受性予測の可能性が示唆された。今後は高感受性群判定基準の確立が課題であり、さらに研究を進めたい。

Research Products

• [Publications] 岡住慎一: "食道癌ネオアジュバンド療法(CDDP-5-FU)における^<11>C-MethioninePETによる効果予測の検討" 日本消化器外科学会誌. 30(6). 280 (1997)
• [Publications] 岡住慎一: "食道癌におけるMethionine摂取と、糖代謝・血清p53抗体・腫瘍マーカー・分化度との比較" 日本消化器外科学会誌. 31(2). 280 (1998)
• [Publications] 福長徹: "Positron emission tomagraphyを用いた食道癌化学療法の感受性予測と効果判定" 日本臨床外科医学会雑誌. 58(増). 161 (1997)