1998 Fiscal Year Annual Research Report
筋組織内一酸化窒素濃度測定による閉塞性動脈硬化症発症憎悪機転の解明
Project/Area Number |
09671212
|
Research Institution | UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
重松 宏 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40134556)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細井 温 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40311625)
小見山 高士 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10292947)
畠山 卓弥 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60291324)
安原 洋 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (50251252)
|
Keywords | 近赤外線分光法 / 組織酸素動態 / 一酸化窒素 / ヘモグロビン / 閉塞性動脈硬化症 |
Research Abstract |
前年度,全波長型近赤外線分光装置を改良し,一酸化窒素をヘモグロビン溶液に飽和させ,一酸化ヘモグロビン規定濃度における近赤外領域の吸光スペクトルを測定してリファレンスとした。しかしin vitroで可能であった一酸化窒素濃度測定の解析は,in vivoでは困難であった。その理由として,ウサギ虚血肢モデルでは下肢筋肉量が乏しく,近赤外光の透過光路が一定でないため,得られた波形が安定しないことが原因と考えられた。しかし酸素化ヘモグロビン,脱酸素化ヘモグロビンの測定は可能であることより,確立したウサギ虚血肢モデルにおいて,以下の結果を得た。 ウサギ虚血肢モデルを正常食群と高コレステロール食群に分け,各々をセロトニン受容体拮抗物質投与群と対照群とに分けた。正常食群においては投薬群と対照群間に虚血回復時間(T1/2)の有意差は認められなかったが,高コレステロール食群では投薬群と対照群間において有意にTl/2が短縮していた。また正常食群と高コレステロール食群の対照群間では有意に高コレステロール食群が延長していた。いずれの群においても正常である左後肢のT1/2は虚血側肢と比較して有意に短くかつ群間による差は認められなかった。高コレステロール群では正常食群と比較して,血漿中セロトニン濃度が有意に高く,全血セロトニン濃度は有意に低かった。β-トロンボグロブリンおよび血小板第4因子はほとんどの動物で検出限界以下であった。トロンボボキサンA2の代謝産物とされるTXB2は有意に高かったが,PGI2の代謝産物とされるPGFlαは有意差がなかった。血中コレステロール濃度は高コレステロール食群で有意に高く,血中血小板数には有意差は認められなかった。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 重松 宏: "閉塞性動脈硬化症による間歇性跛行に対するアルガトロバンの薬効評価-近赤外分光法を用いた検討-" Therapeutic Research. 18(11). 3665-3672 (1997)
-
[Publications] 重松 宏: "糖尿病と末梢動脈閉塞" 日本医師会雑誌. 118(2). 215-220 (1997)
-
[Publications] 重松 宏: "末梢血管障害の病態と最近の話題" Pharma Medica. 15(12). 85-89 (1997)
-
[Publications] Hosoi Y: "A new method for assessment of venous unsufficiency in primary varicose veins using near-infrared spectroscopy" Journal of Vascular Surgery. 26(1). 53-60 (1997)
-
[Publications] 小見山 高士: "末梢動脈塞栓症" 血栓と循環. 5(2). 169-173 (1997)
-
[Publications] Shigematsu H: "Diabetes and peripheral arterial occlusion" Asian Medical Journal. 41(5). 253-260 (1998)
-
[Publications] 細井 温: "血管疾患の無侵襲診断法" 医歯薬出版, 6 (1998)