1998 Fiscal Year Annual Research Report
コルチゾル産生副賢皮質腺腫(クッシング症候群)の発症機序に関する研究
Project/Area Number |
09671223
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
舟橋 啓臣 名古屋大学, 医学部, 講師 (50135357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 常夫 名古屋大学, 医学部, 助手 (80252245)
村田 義晴 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (80174308)
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Keywords | クッシング症候群 / コルチゾル産生副賢皮質腺腫 / ACTH受容体遺伝子 / 転写調節 / 転写因子SF-1(Ad4-BP) |
Research Abstract |
本研究は、クッシング症候群患者の副腎腺腫組織およびその隣接正常組織を用い、コルチゾル産生副腎皮質腺腫の発症機序を分子生物学的に解明することを目的とする。平成10年度は研究計画に基づき以下の研究を実施した。 1. コルチゾル産生副腎皮質腺腫(CPA)と隣接する正常組織におけるACTH受容体遺伝子の発現と臨床像の昨年の研究によりCPAでは、ACTH受容体遺伝子の発現が正常副腎と同様に認められるのに対し、腺腫に隣接する正常副腎ではその発現が著しく抑制されていることが明らかにされた。また、ACTH受容体遺伝子の翻訳領域の塩基配列の異常が存在しないことも明らかにした。本年は、CPAで発現しているACTH受容体の生物学的活性を検討する目的で、クッシング症候群患者の術前、術後の内分泌学的所見を詳細に検討した。その結果、術前のACTH刺激テストにより全ての患者でコルチゾルの増加が認められ、術後3カ月の時点で施行した同テストではコルチゾルの増加が全く認められないことを明らかにした。この結果は、腺腫組織に生物学的活性を持つACTH受容体が発現していることを示唆し、ACTH受容体遺伝子の翻訳領域の塩基配列の異常が存在しないことを裏付けるものであった。 2. ACTH受容体遺伝子の5^1-調節領域のクローニングとその機能解析 CPAにおけるACTH受容体遺伝子の翻訳領域に異常が認められなかったため、ヒトACTH受容体遺伝子の調節領域のクローニングを行った。PCRを用い、ACTH受容体遺伝子のエキソン1の上流約1Kbの調節領域をクローニングした。この調節領域に欠失、突然変異を導入にし、ルシフェラーゼレポーター遺伝子の上流に挿入し、その機能を種々の細胞にトランスフェクトして解析した。その結果、ACTH受容体遺伝子の副腎特異的発現に転写因子SF-1(Steroidogenic Factor-1)が重要な役割を果たしていることを明らかにすると共に、ACTH依存性のACTH受容体遺伝子の発現促進が転写因子AP-1を介していることも明らかにした。
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[Publications] Kikumori T, Kambe F, Nagaya T, Imai T, Funahashi H, Seo H.: "Activation of transcriptionally active nuclear factor-kapa B by tumor necrosis factor-a and its inhibition by antioxidants in rat thyroid FRTL-5 cells." Endocrinology. 139. 1715-1722 (1998)
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[Publications] Sarkar D, Kambe F, Hayashi Y, Ohmori S, Funahashi H, Seo H.: "Characterization of 5'-regulatory region of human ACTH receptor gene." Environ Med. 42. 23-25 (1998)