1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野本 慎一 京都大学, 医学研究科, 講師 (00172825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福本 学 京都大学, 医学研究科, 助教授 (60156809)
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Keywords | tacrolimus / 心毒性 |
Research Abstract |
【目的】家兎にtacrolimusを経口投与し、心筋の病理組織学的変化と血中濃度との関係を検討する。 【方法】生後10週、平均体重2.0kgのSPF家兎20羽を対象とした。それらを、tacrolimus経口投与群5羽、tacrolimus静注群5羽、生理食塩水静注群10羽にわけた。tacrolimus経口投与群はtacrolimusの経口剤を1mg/kg/d、28日間経口投与し、tacrolimus静注群は静注用tacrolimusを0.2mg/kg/d、28日間毎日静注した。29日目に静脈麻酔の後屠殺し、心臓を摘出しフォルマリン固定して、横切した組織標本を作り、病理組織学的評価を、変性、繊維化、浮腫、壊死の4項目について4段階評価を行った。 屠殺前に採血し、tacrolimus血中濃度をenzyme immunoassayにて測定した。 【結果】病理組織学的解析の結果、tacrolimus経口投与群では生食群と比較すると、変性、浮腫、繊維化で有意な変化がみられた。心筋変性像はtacrolimus静注群にみられたように、正常心筋組織と明瞭に区別できる円形のspotty degenerationが認められ、一部に心筋の錯綜配列も認められた。間質の繊維組織は生食群では認められなかったが、tacrolimus静注群、経口群ともに認められた。tacrolimus経口群では心筋壊死像は認められなかった。tacrolimusの血中濃度はtacrolimus静注群では9.4±0.9ng/mlであったが、tacrolimus経口群では測定下限以下であった。 【結語】ウサギにおいてtacrolimusが静注のみならず、経口投与においても心筋組織の病理学的変化を起こした。
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