1999 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌組織浸潤・肝転移における間質組織の果たす役割の分子生物学的検討
Project/Area Number |
09671247
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
蔵並 勝 北里大学, 医学部, 講師 (80170075)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿田 章 北里大学, 医学部, 教授 (90109439)
原 英 北里大学, 医学部, 助手 (90238163)
越田 佳朋 北里大学, 医学部, 助手 (00276099)
|
Keywords | 大腸癌 / 血管新生 / 腫瘍浸潤 / PD-ECGF / MMP / 大腸腺腫 |
Research Abstract |
悪性腫瘍の転移形成には,癌細胞の浸潤・血管新生・接着・増殖などの諸段階が存在する。【目的】大腸癌carcinogenesisに於ける各種生理活性物質の発現を蛋白レベル及びmRNA発現につき検討した。【対象及び方法】A;蛋白質発現(1)対象:大腸癌症例20例と、炎症性ポリープ20例、過形成性ポリープ20例、大腸腺腫症60例について検討した。方法:標本はホルマリン固定パラフィン切片で、(1)抗ヒトTdRPase抗体(2)抗ヒトVEGF抗体(3)p53抗体(4)Ki-67抗体を一次抗体として用いてABC法で免疫組織染色した。B:mRNA発現1.Angiogenic factor:日本ロッシュより供与されたPD-ECGF cDNAを用いてRNA probeを作成、進行大腸癌組織を用いた、in situ hybridyzationを行った。2.Invasion factor:MMP-2,9cDNAを用いて,Northern blot analysisを行った【結果】A:蛋白質発現(1)大腸腺腫におけるPD-ECGF発現:炎症性及び過形成性ポリープにおいて発現は認めなかった。間質の線維芽・形質細胞及び大腸腺腫,carcinoma in adenomaの一部で発現を認めた。(2)VEGF発現:炎症性・過形成性ポリープ・大腸腺腫では、VEGF発現は認めなかった。carcinoma in adenoma及び大腸癌においてのみ発現が観察された。(3)PD-ECGF発現は、Ki-67発現と統計学的に有意な正の相関を示した。B:mRNA発現 進行大腸癌組織を用いた検討で、PD-ECGF mRNAは組織間質の形質細胞に発現が認められた。また、その発現は腫瘍周囲のTAM(tumor associated macrophage)に強く認められた。また、浸潤因子であるMMPは、癌組織において正常粘膜より高度に発現を認めた。
|
Research Products
(1 results)