1998 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト型化抗c-erbB-2モノフローナル抗体による抗癌剤の効果増強作用
Project/Area Number |
09671253
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
徳田 裕 東海大学, 医学部, 助教授 (20163975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上山 義人 東海大学, 医学部, 助教授 (30072408)
島村 和男 東海大学, 医学部, 助教授 (00119679)
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Keywords | c-erbB-2 / ヒト型化抗体 / 抗癌剤 / SCIDマウス |
Research Abstract |
本研究は,ヒトc-erB-2癌遺伝子産物のextracellular domainを認識するマウスモノクローナル抗体(mAb)のantigen-binding sequenceをヒトIgGlのvariable-region frameworkに組み込むことにより作製したヒト型化mAb(rhu4DS)と抗癌剤との併用効果を解析し,臨床応用の基礎検討を行うことを目的としている. 【材料および方法】c-erbB-2癌遺伝子蛋白高発現株としてヌードマウス可移植性のヒト胃癌細胞株4-1STを用いた.抗癌剤は,CDDP(シスプラチン)ETP(エトポシド),MMC(マイトマイシンC)を用いた.約3mm^3の腫瘍片をSCIDマウス皮下に移植し腫瘍が100-300mm^3腫瘤に発育した時点で,抗癌剤あるいは抗体をマウス尾静脈より静注し週2回腫瘤径を測定し21日間観察した. 【結果】rhu4D5とCDDPを併用した場合には相乗的な増殖抑制が認められた.またETPあるいはMMCについても同様に単独投与に比較して併用により著しい腫瘍増殖抑制効果が認められた.この間マウス体重の減少やマウスの衰弱は認められなかった.さらにthu4D5とCDDPの投与時期を3時間前後して投与して抗腫瘍効果を比較した.CDDPを先に投与した場合に比べ,rhu4D5を先に投与した方が,同じ投与量にもかかわらず,明らかに強い腫瘍増殖抑制効果が見られた. 【考察】c-erB-2癌遺伝子産物に対するヒト型化mAbと抗癌剤を併用することによりヒト固形癌に対するin vivoにおける抗腫瘍効果を増強することをヒト腫瘍SCIDマウス移植系を用いて明らかにした.今後は,この実験系を用いてマウス体内や腫瘍内におけるthu4D5や抗癌剤のpharmacokineticsを解析し,この効果増強作用のメカニズムを明らかにしたい.
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