1997 Fiscal Year Annual Research Report
動脈新生内膜肥厚に対する光線力学的治療の検討:スカベンジャー経路による標的療法
Project/Area Number |
09671255
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
長江 恒幸 東京医科大学, 医学部, 助手 (70217967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
会沢 勝夫 東京医科大学, 医学部, 教授 (40074645)
石丸 新 東京医科大学, 医学部, 教授 (50112785)
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Keywords | 光線力学的療法 / 新生内膜肥厚 / 光感受性物質 / スカベンジャー受容体 |
Research Abstract |
新生内膜肥厚を抑制する治療法としてのPhotodynamic therapyが注目されている.そのなかでも新生内膜肥厚に強く関わる平滑筋細胞とマクロファージを選択的に標的とするLigandの有用性について検討してきた.また光感受性物質HPDは光線過敏法などの副作用やヘモグロビンの吸収帯と重なることから血管系の治療に使用しずらい面があった.しかし最近の第二世代Photosensitizer(PS)の中で注目されているものにChloroaluminium sulfonated phthalcyanine(Pc)やMono-L-aspartyl chlorine e6(NPe6)があり,Pcと信性内膜肥厚(IH)治療の有用性が報告されている.ligand結合Chlorine e6の結果をふまえ,実際に応用の可能性の高いPSであるPcにLigand結合させ検討した結果,Pcはphotosensitizerとして効果的に機能し,Free-Pc群と比較しIHにより強い細胞傷害を与えることが解り,scavenger recepter targeting photodynamic destrucionの有用性が示唆された.上記内容は1997年日本脈管学会にて発表した.現在実際の臨床応用を前提としたPDTの有用性を検討するためには,血管内照射によるPDTの施行手技とその開発が必要となる.今回新しくNZWウサギへのレーザー照射用全周性Cylindrical fiberを2種類開発して,その性能を評価している.その評価方法としては今まで報告されている第二世代のPhotosensitizerのなかでさらに長波長側での励起,蛍光測定が可能はN Pe6を使用し,各種濃度のNPe6ゼラチンを作成してファイバーからのLaserの到達範囲を観察し,血管内照射として可能なNPe6投与後の時期を検討した.それをふまえてコントロールとして動脈傷害後でfree-NPe6投与後3時間後のレーザー照射を施行し,NPe6-PDTの治療効果について検討した.平滑筋細胞の全周性の傷害が認められ,ファイバーの有効性が認められた.この内容は1998年3月開催の日本循環器学会にて発表予定.現在NPe6は血中でアルブミンと1:1で結合が得られることから,mal-BSA+NPe6投与を作成して検討をすすめる予定.
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