1998 Fiscal Year Annual Research Report
動脈新生内膜肥厚に対する光線力学的治療の検討:スカベンジャー経路による標的療法
Project/Area Number |
09671255
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
長江 恒幸 東京医科大学, 医学部, 助手 (70217967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
会沢 勝夫 東京医科大学, 医学部, 教授 (40074645)
石丸 新 東京医科大学, 医学部, 教授 (50112785)
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Keywords | 光線力学的療法 / 新生内膜肥厚 / 光感受性物質 / スカベンジャー受容体 |
Research Abstract |
心血管閉塞性疾患に対するバイパス手術や,PTCA,stent,などEndovascular Surgery治療後に起こる再狭窄は,動脈壁損傷が引き金となる重要な合併症である.新しい再狭窄治療として光線力学的療法(PDT)の有効性が注目されている.有効なPDTには光感受性物質の治療部位への高い集積性が得られる必要がある.動脈傷害部位ではマクロファージと合成型平滑筋細胞が重要である.我々はこれら細胞が発現するスカベンジャー受容体を標的にした,受容体ligand(maleylated-BSA)と蛍光物質との結合体は特異的に傷害部位及び内膜肥厚部位に集積することを報告した.さらに光感受性物質をLigand結合させ,取り込みの有用性をin-vitro, in-vivoで報告した.また治療効率の高い第二世代の光感受性物質NPe6を用いた傷害動脈へのPDT効果につき検討を行いその有効性を報告してきた.現在,臨床を想定した血管内PDT及びPDDの開発を目標として,血管内照射用cylindrical fiberを使用して,検討を行っている.今回治療後2週間目の治療群では傷害動脈中膜の平滑筋細胞の消失が,照射4日後と同様に認められ,内膜肥厚形成はコントロール群と比して抑制された.次にバルーン傷害後10週間1%コレステロール食摂取させた動脈硬化モデルでの血管内照射を見ると,内膜肥厚部位の内側でのPDT効果は観察されたが,中膜平滑筋細胞の傷害は見られなかった.現在さらに動脈硬化モデルにインターベンションを加えたモデルでの光感受性物質の中膜への集積動態を観察し,血管内照射のプロトコールを作成検討中である.さらに血流の影響を排除し,selectiveに低エネルギーで均一な照射を行う目的で,バルーンを使用した照射ファイバーの導入中である. これらの内容は1998-日本循環器学会・1998-国際光線力学的療法学会・1998-国際脈管学会・1998-日本レーザー医学会誌などにて発表した.
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