1997 Fiscal Year Annual Research Report
可溶性CD40ligandの,ヒト乳癌細胞に対する生物学的効果の検討
Project/Area Number |
09671257
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
小林 直 東京慈恵会医科大学, 内科学講座第3, 講師 (50147310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船越 哲 東京慈恵会医科大学, 内科学講座第3, 助手 (80229096)
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Keywords | CD40 / 乳癌 / アポプトーシス / SCIDマウス |
Research Abstract |
本来Bリンパ球系の表面マーカーであるCD40を介したsignalが、ヒト悪性リンパ腫細胞の増殖を抑制する事が知られているが,我々はCD40刺激がヒト乳癌細胞の増殖も抑制するのではないかと考え、以下の実験を施行した.ヒト乳癌細胞株であるMCF-7及びMDA-231の細胞表面でのCD40の発現を,抗CD40抗体を用いて、flow cytometryにて検索した.これらがCD40陽性である事を確認した後,遺伝子組み替えにより作られた可溶性CD401igandを用いて,MTTassayにてその抗腫瘍効果を検索した.MCF-7及びMDA-231は可溶性CD40ligandとともに培養する事により,その増殖が抑制された.このメカニズムを解明するため,現在TUNELassay,電顕等にてアポプトーシスの存在の有無を検討中である.またin vivo studyのための基礎実験として,我々はこの細胞株の,severe combined immuno-deficiensy(SCID)mouseへの移植実験を行った.まず,5X10^6個のMDA-231をマウスの腹腔内に注入したところ,第25-30日目で腹腔内播種または肝転移にて死亡した.これらの担癌マウスを,腫瘍接種3日後より可溶性CD40ligand10μgにて治療したところ,コントロール群に比べ,有意な生存期間の延長が得られた.今後はこのin vivoのデータを追試し,確認した後に論文とする予定である.
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