1997 Fiscal Year Annual Research Report
超冷凍保存法を用いた同種耳介軟骨移植に関する実験的研究
Project/Area Number |
09671259
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
宮脇 剛司 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70246445)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武石 明精 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00256405)
平瀬 雄一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00181157)
|
Keywords | 冷凍保存 / 同種移植 |
Research Abstract |
A 凍結保存後の耳介軟骨の変化 凍結保存実験で得られた各群のの耳介軟骨の軟骨膜細胞数、軟骨膜下の幼若軟骨細胞数、軟骨深層の成熟軟骨細胞数の組織学的検索の結果は、それぞれ超冷凍保存群では109,61±70,59、36.44±15.86、8.86±7.56、新鮮軟骨群では129.12±71.70、55.30±35.91、10.36±9.32、急速凍結保存群では51.30±25.20、9.90±5.50、0.52±1.13であった。光顕所見では超冷凍保存群、急速冷凍保存群ともに深層の成熟軟骨細胞の破壊は高度であったが、超冷凍保存群では軟骨膜と表層の幼若軟骨細胞の破壊は少なく、より新鮮軟骨に近い形態が観察された。電顕所見でも軟骨膜細胞、幼若軟骨細胞は急速凍結保存群では高度の破壊見られるのに対して超冷凍保存群では細胞内構築は温存されていた。 B 耳介軟骨の大腿部への同種移植実験 移植実験は12週まで終了した。病理組織学的には新鮮耳下組織移植群では移植後12週までの観察において炎症所見を認めず、移植軟骨に組織学的変化を認めなかった。超冷凍保存組織移植群では移植後1〜2週の早期に軟骨膜の外層までの極軽度の炎症細胞浸潤を認めたが4週以降には炎症細胞はほとんど消失した。 一方、同種新鮮軟骨移植群では移植後1〜2週より12週に至るまで軟骨周囲の結合織に明らかな炎症細胞浸潤を認めた。 以上が、現時点での研究実績に関する概略報告である。
|