1998 Fiscal Year Annual Research Report
微小血管吻合器“プリサイス"の吸収性素材による血管内皮細胞の観察
Project/Area Number |
09671261
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
飯塚 雄久 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10232117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平瀬 雄一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00181157)
野嶋 公博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20256431)
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Keywords | 微小血管吻合 / 吸収性素材 / マイクロサージャリー / 血管内皮 |
Research Abstract |
吸収性素材が微小血管に与える影響を調べた.吸収性素材はPDSI縫合糸(ポリディオキサン)を用い、実験動物は日本白色家兎の大腿動脈を用いた.一群5羽とし、血管周囲剥離群(コントロール群)、血管内膜までをPDSIで1針縫合した群に分け、それぞれ2、4、6、8、12週で採取、血管外膜、内膜の肉眼的所見および光学顕微鏡による組織学的所見を比較観察した. 次に吸収性素材と非吸収性の素材が微小血管内膜に与える影響を比較するため、血管内膜までをPDSIIで1針縫合した群、非吸収性で縫合した群に分け、それぞれ2、4、8、6、12週で採取、血管外膜、内膜の肉眼的所見および光学顕微鏡による組織学的所見を比較観察し、縫合糸周囲における単位面積あたりの炎症細胞数を検索した. 大腿動脈血管剥離群においては、各週とも光学顕微鐘において外膜の炎症細胞の浸潤が認められ,血管内膜へ与える影響は検出されなかった. 非吸収糸群では吸収糸群に比べ、縫合糸周囲に生じる炎症細胞の持続が観察された.吸収糸群では、縫合後2〜4週間で縫合糸周囲の血管内皮は盛り上がり、4週より縫合糸直上の内膜に裂溝が形成され、次第に内膜が平坦化した,非吸収糸群では4週より縫合糸が血管内へ露出してくるのが観察されたが、吸収糸群では血管内皮からの距離が変わらず、次第に吸収された. この実験により吸収性縫合糸群は炎症細胞の浸潤が軽度で、素材の吸収のため組織への侵襲が少なく、微小血管においてもgroing besselへの縫合、連続縫合の有用性が示唆された. 以上の報告を第7回日本形成外科基礎学術集会(於:香川)で発表した.
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