1997 Fiscal Year Annual Research Report
血管端側吻合部における局所壁ずり応力と吻合部内膜肥厚の成因に関する研究
Project/Area Number |
09671264
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
石橋 宏之 愛知医科大学, 医学部, 助手 (10257660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清田 義治 愛知医科大学, 医学部, 助手 (30298591)
飛田 研二 愛知医科大学, 医学部, 助手 (00288531)
杉本 郁夫 愛知医科大学, 医学部, 助手 (30278353)
保坂 実 愛知医科大学, 医学部, 助手 (60219160)
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Keywords | 血管吻合 / 端側吻合 / 壁ずり応力 / 吻合部内膜肥厚 / 下肢血行再建術 / 晩期グラフト閉塞 |
Research Abstract |
今回の研究は、研究申請書の段階では実験動物をしてイヌを予定していたが、安定供給が困難なことが判明したため、実験動物をウサギに変更した。 平成9年5月から実験道具の整備、実験準備に取りかかり、6月からウサギ総頚動脈を用いた血管端側吻合モデル作成に着手した。 第一の実験として、血管端側吻合における局所壁ずり応力測定実験を開始した。この実験では、血管端側吻合と同一の内部geometryを有する紫外線透過性モノマー製吻合鋳型を作成する必要がある。血管端側吻合後一週間を経たウサギ総頚動脈に樹脂を注入し、端側吻合と同一の内部geometryを有する鋳型を作成した。今後、この樹脂製モデルから紫外線透過性モノマー鋳型を作成し、photochromic dye法により局所の壁ずり応力を測定する予定である。 第二の実験として、血管端側吻合における吻合部内膜肥厚の病理学的検索を開始した。血管端側吻合後一週間を経たウサギにBrdUを注入した後、これを犠牲死させ、吻合血管を採取し、BrdU免疫組織染色法を用いて吻合部周辺の細胞分裂頻度を計測する方法を確立した。現在までに11匹のウサギ総頚動脈端側吻合モデルを作成した。4匹は残念ながら血管閉塞したが、7匹からBrdU染色用標本が得られ、現在これを計測中である。 今後、吻合部周辺の壁ずり応力の分布、内膜肥厚の局在、核分裂細胞の頻度と分布の相関を解析することにより、壁ずり応力の血管内膜remodellingに及ぼす影響を解明する予定である。
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