1997 Fiscal Year Annual Research Report
肝硬変に伴う側副血行路形成における血管新生・抑制因子発現の解析
Project/Area Number |
09671266
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
中井 謙之 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50198024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島 知子 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (10172868)
竹内 雅春 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (00258162)
藤元 治朗 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (90199373)
岡本 英三 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50068425)
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Keywords | VEGF / 門脈圧亢進症ラットモデル / 肝硬変ラットモデル / 門脈圧亢進症 |
Research Abstract |
側副血行路発達をおこさせるため,次のように門脈圧亢進症モデルを作成した。ラットにおいて門脈を単に結紮したり,ジメチルニトロサミンにより肝硬変を作成するだけでは,左側後腹膜を介して左腎静脈へと門脈血が注がれ,porto-systemic shuntを形成してしまい門脈圧の亢進は軽度となる。その結果側副血行路の発達も乏しいことがわかった。そこでporto-systemic shuntの形成を阻止すべく,左腎静脈と交通のある後腹膜の静脈を廓清し,更に左腎周囲脂肪織を切除した。この方法により以下に示すa),b)の2群の側副血行路発達モデルを作成した。即ち左腎静脈周囲の廓清後,a)ジメチルニトロサミンを腹腔内投与し,肝硬変を作成する.b)門脈を不完全結紮することにより門脈圧亢進をおこさせるの2群を作成した。術後ジメチルニトロサミンを3回/週,4週連続の腹腔内投与をおこない,回結腸静脈からの門脈造影をおこなった。門脈不完全結紮群では術後2週目で再度門脈を完全結紮し,更に1カ月後に先と同様に門脈造影をおこなった。両群ともに左胃静脈から食道へと向かう側副血行路の発達が門脈造影上認められた。なお内視鏡検査では食道静脈瘤の発達は確認できなかったが,食道組織の病理学的検討ではHE染色で食道粘膜下層および食道周囲脂肪織において静脈の拡張が認められた。側副血行路が発達したラットから,1)側副血行路発達過程で最も血管内皮増殖因子であるVEGFが分泌されるのはどの過程であるのか? 2)VEGFがどの臓器より分泌されているか?を術後設定した時期にラットの臓器採取をおこない,免疫染色およびmRNAのRT-PCR法で解析中である。
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