1998 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子工学を用いた腎移植における拒絶反応の非観血的迅速診断法の開発
Project/Area Number |
09671275
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大河内 信弘 東北大学, 医学部, 助教授 (40213673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織井 崇 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (20282048)
宮崎 修吉 東北大学, 医学部, 助手 (50282075)
土井 秀之 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (90188839)
藤盛 啓成 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (50238622)
里見 進 東北大学, 医学部, 助手 (00154120)
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Keywords | 腎移植 / 拒絶反応 / DNA / 尿 / 血液 |
Research Abstract |
男から女への移植例におけるキメリズムの解折;22例のレシピエント末梢血よりファイコールハイバーク・遠心法により単核球分画を調整しこれよりDNAを抽出し、Y染色体上の特異的塩基配列であるSRYおよびDYZ-1 各々に特異的なプライマーペアをもちいてPCR増幅を行った。PCR産物を3%アガロースゲルで電気泳動の後エチジウムブロマイド染色を行いトランスイルミネイターで特異的バンドを検出した。22例中16例にキメリズムを認めたが、キメリズムを認めた16例のうち8例(50%)に急性拒絶反応を認めた。またキメリズムが確認できなかった6例のうち2例(33%)で拒絶反応を生じなかった。以上の結果から、腎移植後多くの患者でキメリズムを生じるが、いままで言われていたようにキメリズムが免疫寛容状態を誘導するということはいえないことが明らかになった。HLA-DRミスマッチ移植例におけるキメリズムの解折;移植腎症例21例につきドナー、レシピエントのHLA-DR DNAタイピングを過去に遡り行った。生体腎移植でドナー生存例はその末梢血よりDNAタイピングを行うが、死亡例および屍体腎移植例では移植時の移植腎生検のホルマリン固定標本よりDNAを抽出してDNAタイピングに供した。DNAタイピングは、単核球あるいは組織より抽出したDNAサンプルを各HLA-DRB1 allele特異的なプライマーペアにてPCR増幅を行い、allele特異的なハンドを検出しDRB1タイプを決定した。DNAタイピングでDRミスマッチと判明した症例につきレシピエント血中のドナー由来DRB1 DNAを検出することによりキメリズムを目下解析している。尿中ドナーのDNA検査;拒絶反応19例の尿を遠心した沈査からRNAを抽出し逆転写にてcDNAを得た。これをドナーDRB1 allele特異的プライマーでPCR増幅を行い、ドナータイプの、即ちグラフト由来のDRB1特異的バンドを検出した。拒絶反応時18例で尿中にドナーのDNAが検出され、治療後は11例で陰性化した。
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Research Products
(1 results)