1998 Fiscal Year Annual Research Report
アデノウイルス発現ベクターを用いたp16遺伝子導入による食道癌、膵癌治療の試み
Project/Area Number |
09671280
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小林 進 千葉大学, 医学部, 講師 (50234828)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白澤 浩 千葉大学, 医学部, 教授 (00216194)
|
Keywords | p16 / アデノウイルスベクター / 遺伝子導入 / 膵癌 / 食道癌 |
Research Abstract |
p16^<INK4a>発現アデノウイルスベクターの作製と発現の確認(In vitro) 昨年は開始コドン前約10塩基、終止コドン後約30塩基をつける形で組み込むべきp16^<INK4>cDNA(0.8kb)をPCRによりcloningし、これをコスミッドカセットDNAのSwa-1siteにIn vitro pachagc法により組み込み、さらに、これをEco T22Iにて切断された親アデノウィルスと293細胞にco-transfectし、組換えウィルスを分離しp16^<INK4a>発現アデノウイルスベクターを作製した。またp16^<INK4a>遺伝子のhomozygous deletion が確認された膵癌培養細胞(MIAPaca-2)において、上記の発現ベクターによる遺伝子導入によりp16^<INK4a> mRNAの高度の発現がNorthern Blot Hybridizationにより確認できたことを報告した。本年度はさらにWestern Blot Hybridizationを行ったが、実際に上記の遺伝子導入によりMIAPaca-2においてp16^<INK4a>遺伝子のタンパクレベルの発現が見られることを確認し、さらにその細胞においてアポトーシスが誘導されることも確認した。 p16^<INK4a>発現による膵癌、食道癌細胞増殖抑制効果 昨年は遺伝子導入によりp16^<INK4a>発現が確認された膵癌培養細胞(MIAPaca-2)はコントロール(MIAPaca-2)細胞に比較し、その細胞増殖は有意に抑制されることを確認したが、本年度さらに食道癌細胞(TT,TTn)において細胞増殖抑制効果を検討した。しかし膵癌細胞と異なり、有意な細胞増殖抑制効果は見られなかった。現在その要因につき検討中である。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Susumu Kobayashi,et al: "Adenorirus p16 Expression Vector to Suppress the parcreas Cancer Cells Proliferation" Hepato-gastroenterology(Spplement II). 45. CLXII (1998)
-
[Publications] 小林 進 他: "大腸癌におけるp21^<WAF1/CIP1>遺伝子のmRNA発現" 日本外科学会雑誌. 99・7. 457-462 (1998)