1997 Fiscal Year Annual Research Report
デキストランマグネタイト-抗癌剤封入リポソームを用いる温熱塞栓化学療法の研究
Project/Area Number |
09671289
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
竹森 繁 富山医科薬科大学, 医学部・附属病院, 講師 (30227061)
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Keywords | 温熱療法 / 塞栓療法 / 化学療法 / デキストランマグネタイト / リポソーム |
Research Abstract |
現在の温熱療法の主流は誘電加温法であるが,癌局所のみを選択的に加温するのは困難である.この欠点を補い,電磁誘導による選択的な加温方法が考案され,過去に磁性体としてDextran Magnetite(DM),Thermosensitive magneto-liposome(TMs)を用いた方法を研究し,その治療効果についても報告してきた.またTMsは内部に封入した抗癌剤などの薬剤を温度感受性に徐放する性質を有し,選択的温熱化学療法が可能であるが,塞栓作用が弱かった.この問題点を解決すべく,新たにDMアルブミンマイクロスフェア(DM-AMs)を作製,誘導加温法を行い,その特性について検討した.DM-AMsの粒径は条件を変更することで任意に作製される.実験には粒径4-6mum,鉄含有量39.6%のものを用いた.走査電顕写真では,粒径が小さくとも球状を呈し,表面は平滑である.濃度20mg/ml,10mg/mlのDM-AMs,誘導加温装置(出力7kW,周波数500KHz),光センサー式温度測定装置を用いた.DM-AMsの濃度20mg/mlでは6度/3分,10mg/mlでは6度/7分の温度上昇を認めた.同様のDM-AMsをラットの肝尾状葉な経動脈的に投与し塞栓した.塞栓後,誘導加温を行ったところ,肝尾状葉は8分30秒で43度に加温された.直腸温は36.7度であり,投与局所のみ加温された.組織学的所見では,肝尾状葉の類洞,肝動脈は塞栓され,腫瘍内へもDM-AMsが取り込まれていた.以上のように,DM-AMsはin vitro,in vivoともに磁気誘導法により加温されることが可能であった.同物質は内部に抗癌剤を封入する事が可能であり,加温により徐放的に薬剤を放出できる可能性を秘めている.塞栓と温熱療法を組み合わせた,新しい選択的な治療法の開発について今後検討してゆく.なお,今年度の研究結果については第14回日本ハイパーサーミア学会において発表した.
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Research Products
(1 results)