1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671291
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
米村 豊 金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (20167042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 良夫 金沢大学, がん研究所, 助手 (30211783)
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Keywords | Integrin. / urokinase / VEGF / MMP-7 / antisense oligo / MKN-45-P / MMP-1 |
Research Abstract |
平成10年度に得られた実験成績から胃癌の遺伝子治療を行うためのさらなる実験を続けた。 前年度の実験成績では、1種類の転移関連遺伝子をターゲットにしたアンチセンス療法はin vivoにおける効果は思ったほどあがらなかった。これにはさまざまな理由が考えられる。ひとつには高度転移株は複数の転移関連遺伝子が活性化してしまっているので、一つの遺伝子に標的をあわせたantisense療法ではその他の活性化した遺伝子を抑えることができないからと推察できる。 これを克服するには同時に複数の遺伝子を抑制する方法が必要である。そのためにはその癌細胞で活性化している複数の転移関連遺伝子に対するantisense oligoをそれぞれ作成し、カクテルとして投与するか、複数の転移関連遺伝子の共通の転写因子を制御する方法が考えられる。後者は前者にくらべ経済的にも効率が高い。そこで着目したのがc-ets遺伝子である。この遺伝子はMKN-45-Pで過剰発現しているintegrin,urokinase,VEGF,MMP-7などの遺伝子の共通の転写因子であることがわかっている。しかも血管新生の一部にも関与していることが判明している。 そこで、c-ets mRNAの蛋白翻訳開始部位を含むantisense oligo(c-ets antisense;5-TCGACGGCCGCCTTCAT-3',mismatch;5'-ATGAAGCGCGCCGTCGA-3',sense;5'-TGGACCGCCGCCATCTT-3')を作成し、MKN-45-Pに作用させた。 その結果、癌細胞のマトリゲル浸潤能は有意に抑制され、MMP-1,MMP-7,uPA,METの発現が抑制された。 HUVECをマトリゲル上に撒き、c-ets antisense oligoを作用させると、管腔形成が完全に阻止された。 このことからc-etsを制御することにより癌間質の血管新生を抑制し、癌細胞の増殖を制御できる可能性が示唆された。 また、MKN-45-P腹腔内投与ラットの生存率がこのantisense oligoの投与で有意に改善された。 以上により、転移能を獲得した癌細胞には接着能、マトリックス分解能、運動能に関与する複数の転移関連遺伝子が同時に活性化していることが判明した。したがって、遺伝子レベルで転移を制御するには活性化した遺伝子を同時に抑制しなけ ればならない。 したがってc-etsのような複数の転移関連遺伝子の転写因子を制御することは臨床上有用な方法と考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yonemura, Y., Nojima, N., etal.: "E-cadherin and c-met expression as a aprognostic factor in gastric cancer." Oncology Reports. 4. 743-748 (1997)
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[Publications] Yonemura, Y., Endou, Y., etal.: "A possible role of cytokines in the formation of peritoneal dissemination." Int J Oncol. 11. 349-358 (1997)
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[Publications] Taniguchi, K., Yonemura Y., etal.: "The relation between the growth patterns of gastric carcinoma and the expression of hepatocyte growth factor receptor(c-met), autocrine motility factor receptor, and urokinase-type plasminogen activator recepter." Cancer. 82. 362-365 (1998)
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[Publications] Tsugawa, K., Yonemura, Y., etal.: "Amplification of the c-met, c-erbB-2 and epidermal growth factor receptor gene in human gastric cancers:Correlation to clinical features." Oncology. 55. 475-481 (1998)
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[Publications] Yonemura, Y., Ninoiya, I., etal.: "Prognostic significance of c-erbB-2 gene expression in the poorly differrentiated type of adenocarcinoma of the stomach." Cancer petection and Preventionr. 22. 139-146 (1998)
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[Publications] Yonemura, Y.: "Preitoneal Dissemination" Maeda Shoten Co., Ltd, 301 (1997)