1997 Fiscal Year Annual Research Report
癌患者におけるTリンパ球シグナル伝達分子CD3z低下の機序と手術侵襲との関連
Project/Area Number |
09671292
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
関川 敬義 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (10134553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 浩二 山梨医科大学, 医学部, 助手 (40283204)
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Keywords | 手術侵襲 / T細胞機能 |
Research Abstract |
周術期におけるCD3z分子の変動を検討し、担癌患者における手術侵襲とTリンパ球機能との関連について、シグナル伝達分子の視点から検討した。消化器癌患者を対象として、術前術後に経時的に採血し、比重遠心法によりリンパ球を分離の後、z分子を中心とするシグナル伝達分子の発現をIntracellular stainningし、フローサイトメトリーにて定量化した。その結果、右開胸胸部食道全摘、膵頭十二指腸切除術などの大手術侵襲例では、術前値に比べ、第2、3病日でCD3zの発現は有意に低下し、第7病日で術前値に回復する傾向にあった。surface CD3発現も同様に術後有意に低下したが、第7病日に術前値には回復せず低値のまま遷延した。さらに、このCD3z分子の発現低下は、手術侵襲により活性化された単球/マクロファージ由来の活性酸素がそのmediatorであることが判明した。今後、手術侵襲に起因するCD3z分子の発現低下に対する対策につき検討する計画である。
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