1998 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌、膵癌、胃癌および食道癌における結構性転移、再発の早期発見、予知に関する研究-血中AFPmRNA,CEAmRNAおよびサイトケラチンmRNAの検出-
Project/Area Number |
09671301
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
嶋田 裕 京都大学, 医学研究科, 講師 (30216072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 正之 京都大学, 医学研究科, 教授 (00108995)
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Keywords | 血中浮遊食道癌 / SCCmRNA / CEAmRNA / AFPmRNA / Cytoteratin 20mRNA |
Research Abstract |
1) 我々は末梢血中肝癌細胞をAFPmRNA,末梢血中膵癌、胃癌細胞をCEAmRNAで,末梢血中大腸癌細胞をサイトケラチン20mRNA捕らえてきたが、それぞれAFPmRNA、CEAmRNA,Cytokeratin mRNA腸性率と再発率との相関が高いことが明らかとしてきた。今回、さらに食道癌をSCCmRNAの形で捕らえその有効性を明らかとした。 2) 食道癌において我々の開発したSCCmRNAによるリンパ節微小転移同定、血中癌細胞同定法により食道癌転移危険症例の選別、術中血中撒布の有無判定、抗癌剤効果判定解析を行った。末梢血1mlに食道癌細胞1個の混入で末梢血中浮遊食道癌細胞の検出が可能である。健常者ではSCC抗原のmRNA発現は認められず、また画像診断において再発・転移を認めない食道癌術後の外来通院患者13症例および総胆管結石症の良性疾患2症例でもSCC抗原のmRNA発現は認められなかった。食道癌手術37症例中、採血時化学療法未施行症例の33症例のうち、SCC抗原のmRNA発現が術前陽性9症例(27.2%)でありこのうち7症例は手術あるいは手術+術前化学療法で術後陰性化した。また術前および術後が陰性で術中のみ陽性の症例が7症例(21.2%)あり、外科的な手術操作による術中の血中癌細胞散布の危険性が示唆された。転移・再発症例15症例の検討では、SCC抗原のmRNAが6症例(40%)で陽性であった。磁気細胞吸着による血中癌細胞の同定を行った10例中SCCmRNA陽性症例は全例cytokeratin陽性細胞を血中より分離し得た。血液中のSCC抗原のmRNA発現を指標にした本法は末梢血中浮遊食道癌細胞を検出するために有益である。特に再発・転移高危険群の予測、化学療法・手術療法の効果判定に有用であると考えている.現在プロスペクティブに症例の追跡を行う共に、他の分子生物学的指標との関連を検討している。
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[Publications] Naomi Omichi Funaki: "Cyto Keratin 20mRNA in peripheral venous blood of colorectal carcinoma patients" Br J Cancer. 77 (8). 1327-1332 (1998)
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[Publications] Naomi Omichi Funaki: "Quantitive analysis of Carcinoembryonic antigen mRNA in peripheralvenous blood and parlal blood of patients with pancreatic ductal adenocarcinama" Clinical cancer research. vol 4. 855-860 (1998)
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[Publications] Shimada Y: "Prognostic factors of oesaphageal Squamous cell carcinoma from the perspective of molecular biology" Br J Cancer. (in press). (1999)
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[Publications] Shimada Y: "Esophageal cancers Human Cell Culture" Kluwer Academic publishers, 34 (1999)