1997 Fiscal Year Annual Research Report
ヌードマウス可移植ヒト胃癌株の薬剤療法におけるエストロゲンと抗血管新生因子の役割
Project/Area Number |
09671308
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
久保田 博文 島根医科大学, 医学部, 講師 (00205147)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 英樹 島根医科大学, 医学部, 助手 (90252931)
|
Keywords | ヌードマウス / 胃癌 / 抗血管新生因子 |
Research Abstract |
当科において継代維持されているヌードマウス可移植ヒト胃癌株3株について、以下の様な知見が得られた。 まず、ヌードマウスの背部にヒト胃癌株3株を移植し、推定腫瘍重量が100mgになった時点から代表的な抗血管新生因子を2週間連日経口投与した(thalidomide 200mg/kg、Batimastat 40mg/kg)。腫瘍増殖曲線では、いずれの薬剤においても、いずれの腫瘍株においても抑制効果は認められなかった。 次に、腫瘍が明かに増殖してからの投与では無効なのか検討する目的で、ヌードマウスの背部にヒト胃癌株3株を移植し、直ちに上記の抗血管新生因子を投与してみた。しかしながら結果はやはり同じで、腫瘍増殖抑制効果はなかった。以上の結果より我々の用いた抗血管新生因子は、少なくとも我々の用いたヒト胃癌株3株には無効であった。 現在のところ、腫瘍の産生する血管新生因子を免疫組織学的手法を用いて、VEGF,basic FGF,thymidine phosphorylaseについて検討中である。また投与期間についても2週間では短い可能性があると思われ、さらなる長期投与実験を行っている。 抗エストロゲンで、同時に抗VEGF作用をもつ薬剤ICI182,780の投与実験については、免疫組織学的染色の結果を待って行う予定である。
|