1998 Fiscal Year Annual Research Report
細胞接着因子発現制御による膵臓癌肝転移防止の実験的検討
Project/Area Number |
09671313
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
野島 真治 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (40243654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎 忠彦 山口大学, 医学部, 助手
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Keywords | 膵臓癌 / 肝転移 / E-selectin / マウス / 膵切除 / RT-PCR |
Research Abstract |
1. 膵切除後門脈内mitomicine C投与による肝組織中サイトカイン濃度の変動雄性balb/cマウスを全身麻酔下に開腹し,膵体尾部を切除した.切除後門脈内に,mitomicine C(1mg/kg)の投与を行った後,経時的に肝組織を採取しホモジネートし,上清を採取した.上清中のTNFα,IL1βとIL6の濃度をELISA法で測定した. TNFαとIL1βは有意な変動を示さなかった.IL6(pg/mg protein)は術直後0.43±0.20から術後30分に8.17±0.60ヘと有意に増加し,12時間にも有意に上昇していた. 2. 膵切除後の肝組織中E-selectin(ELAM-1)mRNAの発現 切除終了後門脈内にmitomicine C(1mg/kg)の投与を行ったものと投与を行わなかった2群について(投与群,膵切群),術後経時的に肝組織を採取し,凍結肝組織よりacid-guanidine-phenol-chloroform法でtotal RNAを抽出した.マウスのE-selectin遺伝子配列より,オリゴプライマーを作成し,reverse transcriptase-poIymerase chain reaction法(RT-PCR)を行った後更にPCR反応を施行し,E-selectin遺伝子の発現の有無を検索した.internal controlとしてGAPDHの発現をm-RNA採取およびRT-PCR反応の成否の指標とした. 両群の切除後1,3,6,12,24時間後の肝組織では,GAPDHは何れの検体についても発現が認められ,m-RNA採取およびRT-PCR反応は問題なく施行出来た.一方,両群ともE-selectinに対するRT-nestedPCRでは,今回の検討した時間内で特異的なバンドは全く認められず,本実験系でのE-selectinの発現はないものと判断された.
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