1997 Fiscal Year Annual Research Report
肝ミクロゾーム・ミトコンドリア・網内系機能の総合評価
Project/Area Number |
09671318
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
千々岩 一男 九州大学, 医学部, 助教授 (90179945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 周次 九州大学, 医学部, 助手 (70274454)
山口 幸二 九州大学, 医学部, 講師 (50191226)
黒木 祥司 九州大学, 医学部, 講師 (30215090)
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Keywords | 閉塞性黄疸 / 他臓器合併肝切除 / Kupffer細胞 / 肝切除 / 肝再生 / 肝予備能 |
Research Abstract |
本年度は研究計画にのっとり以下の3点を中心に研究してきた。 1)網内系機能の術前制御 ラットを2群に分け、ガドリニウム(Gd)を7mg/Kg(Gd群)又は同量の生食(C群)を肝切除術48時間前と24時間前に静注した。肝門部全肝虚血・再潅流・再虚血を各々15分間行い、再虚血時に70%肝部分切除術を施行した。術後24時間の生存率はC群100%に対しGd群は71%と有意に不良で、術後1日目の残肝体重比はC群1.68%、Gd群は1.39%で、肝DNAへのthimidineの取り込み率はC群161.5dpm/μgDNA、Gd群161.5dpm/μgDNAとGd群で有意に低値を示した。Kupffer細胞の機能の意義が明らかになりつつある。 2)他臓器合併肝切除 大腸癌肝転移や肝門部胆管癌に対し、肝大腸合併切除や肝膵合併切除を臨床上施行している。肝他臓器合併切除時の肝再生能・肝機能について調べた。術後1日目の、肝DNAへのthimidineの取り込み率は、Hxに比べてHCx、HPx群で有意に低値を示した。また、HCx、HPxで門脈血中エンドトキシン、肝過酸化脂質濃度の有意な上昇が認められ、他臓器合併切除の肝再生に争える影響が判明しつつある。 3)閉塞性黄疸に対する減黄法 肝切除術の術前の減黄効果と肝再生に関し検討した。動物実験にて閉塞性黄疸時の非減黄下、胆汁内瘻または胆汁外瘻肝切除術後の肝再生と残肝機能(肝DNA合成能、血中ヒアルロン酸、肝過酸化脂質濃度、門脈血中エンドトキシン、肝アデニンヌクレオチド)を比較した結果、7日間の閉塞性黄疸後の肝切除術では、1)非減黄下では肝再生が抑制された。2)外瘻後の肝切除は肝再生が遅延した。3)術前の内瘻による減黄が最も効果的であった。
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