2000 Fiscal Year Annual Research Report
直腸癌低位前方切除術における回盲部間置術後の肛門機能に関する臨床的研究
Project/Area Number |
09671323
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中越 享 長崎大学, 医学部, 助教授 (40188917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒崎 伸子 長崎大学, 医学部・附属病院, 講師 (50253646)
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Keywords | 直腸癌 / 低位前方切除術 / 回盲部回置術 |
Research Abstract |
【目的】直腸癌低位前方切除術におけるstraight型結腸肛門(管)吻合術(straight型)後の排便障害を軽減する目的で、下行結腸と残存肛門(管)との間に、ileocecal segmentをinterpositionするpouch手術(IIP型)を行い、その有用性を検討した。 【対象と方法】IIP型17例とstraight型26例を臨床像と排便機能((1)排便回数、(2)SITZMARKS^<【O!R】>によるcolonic transit time、(3)manometric study)について比較検討した。 【結果】臨床病理学的因子・手術合併症については差を認めなかった。術後1/3/6/12/24/36/48月での排便回数は、IIP型では平均9.4/6.3/5.6/4.7/3.9/3.2/3.7(回/日)、straight型では平均11.6/7.6/6.4/5.1/4.1/3.9/4.5と、IIP型の方が少ない傾向を示した。SITZMARKS^<【O!R】>によるcolonic transit timeでは、半量排出時間がIIP型では31.2±17.6(平均±SD)時間、straight型では65.1±38.8、健常成人では28.8±9.5と、IIP型は健常人に極めて近い値を示した。manometric studyでは両者に差を認めなかった。 【結語】直腸癌低位前方切除術におけるIIPによる再建術の特徴は、(1)pouchへのnerve supplyが温存される、(2)左側結腸の授動が不必要、(3)十分な長さのS状結腸が不必要、(4)pouch wallがintact、(5)diverting colostomyが不必要であり、従来行われてきたcolonic J-pouchの不利な点を示さない有用なpouch手術である。貯留能と吻合部口側腸管運動機能を得ることができる本術式IIPは直腸癌患者のQOLを高める術式であると考える。
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Research Products
(2 results)