1997 Fiscal Year Annual Research Report
臨床応用を目指し,ハイドロキシアパタイトゾルを用いた徐放性抗癌剤の検討-特に局所癌化学療法を目的とした徐放性アドリアマイシンによる腹膜播種の防止と治療の基礎的検討
Project/Area Number |
09671328
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
毛利 紀章 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (60275138)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真辺 忠夫 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (80127141)
赤毛 義実 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (90264720)
水野 勇 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (20157506)
四ッ柳 智久 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (40080189)
|
Keywords | ハイドロキシアパタイトゾル / アドリアマイシン / AH130 / 腹腔内投与 / DDS |
Research Abstract |
ハイドロキシアパタイトゾル(HAp-sol)を1gラット腹腔内投与した(n=5).7日後まで全てのラットに異常は見られず,開腹すると肉眼的に肝表面,大網,腸間膜の漿膜を中心にHAp-solの付着を認めた.さらに大網を切除しヘマトキシン-エオジン染色を施し,顕微鏡下で観察するとHAp-solをfibroblastが取り囲み,きわめて軽度の炎症細胞浸潤が認められた.HAp-solの一部は上皮細胞のも取り囲まれておりリンパ管の管空内に入っているようにみえた.HAp-solはsubperito-neal spaceに存在したまま,あたかも漿膜と同化しているようにであった.この実験系を通してHAp細粒による臓器障害,腹腔内臓器間の癒着等の所見は認められず,HAp-solの腹腔内投与は安全であることと,きわめて異物反応が少ないことからHAp-solの生体親和性の高さを証明できた.
|