1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671341
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
亀岡 信悟 東京女子医科大学, 医学部・主任教授 (80101848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 仁 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90237529)
林 達弘 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70238111)
斎藤 登 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10225724)
曽山 鋼一 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (30266754)
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Keywords | 肝転移 / 接着分子 / 細胞外マトリックス / 細胞接着ドメイン / 血管新生阻害 / 転移抑制 / タイプIVコラーゲン / 尿中GGH |
Research Abstract |
大腸癌の肝転移機序解明のため、接着分子に着目し研究を重ねてきた。平成11年度は尿中排泄型typeIVcollagen代謝産物であるGGH(glucosyl-galactosyl-hydroxylysine)の臨床測定を進めた(共同研究施設:東京農工大およびニッピバイオマトリックス研究所)。これは細胞外マトリックス基質破壊など原発巣や転移巣の代謝状況を反映すると考えられるアミノ酸代謝物質である。さらに治療法の確立という点においては癌転移における細胞接着機構の研究成果より大腸癌肝転移モデルにおいて、細胞接着ドメインを用いた接着競合阻害や血管新生阻害という転移抑制療法に向けた研究に発展させた。その結果、術前値で非肝転移例11.95±5.91nmol/mgに比し異時性肝転移例19.24±4.90nmol/mgと当初より有意に高値を示していた。尿中GGHが異時性肝転移発見前より高値を持続していた症例でCEAの推移でみるよりもその後の肝転移巣増大や肺転移の前兆を示していたと思われる例を経験するようになった。このように化学療法施行中での推移等でみていくと、従来の腫瘍マーカーや画像診断よりも早期に転移巣変化の評価に役立つ分子マーカーとしての意義を検討していくべきものと思われた。また、接着ドメインや血管新生阻害剤の併用にて、約60%近い転移抑制効果と生存期間の延長が得られ今後の臨床応用や研究の発展が期待される。
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[Publications] 斎藤 登,亀岡信悟,他: "癌転移抑制療法の基礎実験"東京女子医科大学実験動物中央施設年報. 3. 41 (1999)
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[Publications] 斎藤 登,亀岡信悟,他: "大腸癌の肝転移機序の検討-細胞接着分子よりみて-"東京女子医科大学総合研究所 紀要. 19. 43-44 (1999)
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[Publications] 曽山鋼一,斎藤登,亀岡信悟: "大腸癌における接着分子β1インテグリンの検討-血中レベル定量及び免疫組織染色について-"日本大腸肛門病学会雑誌. 52. 119-127 (1999)