1998 Fiscal Year Annual Research Report
単一細胞の遺伝子解析による膵管内乳頭腫瘍の悪性度診断に関する研究
Project/Area Number |
09671350
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Research Institution | Fukuoka Univ.ersity |
Principal Investigator |
池田 靖洋 福岡大学, 医学部, 教授 (40038758)
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Keywords | 膵管内乳頭腫瘍 / 膵腫瘍 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
膵管内乳頭腫瘍は病理学的には過形成、腺腫、非浸潤癌、浸潤癌が含まれ、従来の組織形態学的診断では良悪性の診断は困難な事が多い。本研究の目的は免疫組織学的又分子生物学的手法により、膵管内乳頭腫瘍の悪性度診断をしようとするものである。平成9年度の免疫組織学的研究により、Ki-67抗原標識率、p53蛋白の発現が膵管内乳頭腫瘍の悪性度と相関する事が明らかとなり、膵管内乳頭腫瘍の成立,進展に関与していることが示唆された。平成10年度は膵管内乳頭腫瘍に於けるアポトーシスとAgNORの発現について検討し、遺伝子解析を行った。 対象は外科的に切除された膵管内乳頭腫瘍46例である。組織学的には、腺癌23例、腺腫12例、過形成11例であった。平均AgNOR数は、浸潤癌>非浸潤癌>腺腫>過形成の順に高値を示し、各病変間に有意差が認められた。腫瘍細胞のアポトーシスの検索はTUNEL法で行った。TUNEL指数は浸潤癌2.675±1.225、非浸潤癌1.536±0.856,腺腫1.275±0.840、過形成0.500±0.074で、浸潤癌で有意に高値を示した。腫瘍細胞を単離、DNAを抽出、PCRで増幅し、遺伝子解析を行ったが、腫瘍細胞の単離の段階で他の細胞成分を完全に除去することが困難で十分な解析が行えなかった。従って、現在は,DNAを抽出後、DOP-PCR法により増幅した後,Comparative Genomic Hybridization(CGH)法を用いて染色体異常の検索を行っている。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K. Maeshiro, Y. Nakayama Y. Yasunashi, K. Fujita, S. Ikeda: "Diagrams of Mucin-production Tumor of the panereas by balloon-catheter endoscopic retrograde pancroatography-compression Study" Hepato-Gastroeutesobigy. 45・24. 1986-1995 (1998)