1997 Fiscal Year Annual Research Report
異種生体組織を用いた大血管及び心臓弁移植の基礎的研究
Project/Area Number |
09671363
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹田 誠 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10236482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 順 東京大学, 医学部附属病院, 助手
小野 稔 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40270871)
中島 淳 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90188954)
川内 基裕 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00152918)
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Keywords | 異種移植 / 血管移植 / 凍結保存 |
Research Abstract |
大動物を用いた異種血管・心臓弁移植を行うに当たり、異種移植における拒絶反応の進行に関与する免疫学的因子及びそれぞれに対する免疫抑制剤の効果について検討した。 【対象・方法】体重10kg前後のニホンザルをドナー、ヒヒをレシピエントとする同所性左片肺移植実験を8例に対し行った。生存期間を延長させるため、脾摘(移植前4日)・Tacrolimus(1mg/kg/dai,i.m.)・Methotrexate(0.05・0.5mg/kg/2・3 times per week)を用いた免疫抑制療法を行った。レシピエントの移植後生存期間は6・48(平均19.6±13.8日)であった。レシピエントに対し移植後、抗ヒト白血球モノクローナル抗体を用いたフローサイトメトリー解析により、末梢血中のリンパ球サブセット(CD4,8,20)の変動、及び抗種抗体価について検討した。また、剖検組織に対し病理学的及び免疫組織学的検討を加えた。 【結果】移植後末梢血リンパ球の各サブセットは増加したが、Methotrexate投与後速やかに減少した。各サブセットの比率には有意な変化は認めなかった。 抗種抗体価は移植後5病日まで変化はみられなかったが、長期生存した例ではその後10倍以上に急増した。剖検組織では、移植肺にはCD4,8(^+)のT cellの浸潤はほとんどみられず、CD20(^+)のB cellの浸潤が経時的に増加していた。 【これまでの結果に対する考察】 discordant移植では拒絶反応の進行が急峻すぎるため、免疫抑制法が有効でやや緩徐に拒絶が進行すると考えられるconcordant移植において関与する免疫学的因子について検討した。これまでの結果からは、concordant移植においても、抗種抗体を中心とする液性因子が拒絶反応の主な因子となっており、今回の免疫抑制法はこの抑制に有効であることが示唆された。 本研究の最終的な目標であるdiscordant異種血管移植においても、抗種抗体による急性拒絶反応は不可避であるが、既存の免疫抑制法によりその進行を抑制できる可能性が示唆されたと考えられた。
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Research Products
(1 results)