1997 Fiscal Year Annual Research Report
超短時間エポキシ処理による自己心膜の石灰化抑止効果
Project/Area Number |
09671366
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
渡辺 弘 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (10240516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 伸夫 新潟大学, 医学部・附属病院, 医員
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Keywords | エポキシ化合物 / 石灰沈着抑止 |
Research Abstract |
今年度に行った研究成果として、まずエポキシ処理の条件を設定したことを挙げる。短時間でより効率良く反応させるために、従来のエポキシ処理に改良を加えた点は、触媒を用いたこと、エポキシ化合物の濃度を高めたこと、温度を高めたこと、の3点である。長瀬化成の協力を得て従来法と本研究の方法とで滴定試験による反応率を比較した。結果は従来法が120分まで一貫して反応率0.0%であったのに対し、本法では30分、60分、120分共4.0%の反応率であった。従って高い反応率ではないものの従来法では不可能な短時間処理が本法ではより有益となると考え、エポキシ処理の条件を、40℃で、エポキシ化合物50ml+ピリジン0.5mlの中に心膜を浸す、とした。完全な反応が得られなくとも、移植片は自己心膜であるので拒絶反応がないことも本法のより良い点である。この反応率で、どの程度カルシウム沈着が抑制されるか、実際に犬に移植する実験はこれから開始する予定である。 もうひとつの研究成果は対照群の確立である。無処理の自己心膜、グルタールアルデヒド処理ウマ心膜をビ-グル犬の肺動脈に移植し、2カ月生存させる実験は順調に経過中。順次2カ月間の変化を観察、測定すべく移植した心膜を摘出する実験を行っているところである。
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