1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671371
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Research Institution | Fukui Medical University |
Principal Investigator |
千葉 幸夫 福井医科大学, 医学部, 助教授 (30111959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上坂 孝彦 福井医科大学, 医学部附属病院, 助手 (00283177)
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Keywords | レーザー心筋血行再建術 / positron emmision tomography(PET) / Matrix Metalloproteinase(MMP) / CO2レーザー / 微小血管新生 / Platelet-derived endothelial cell growth factor(PDECGF) |
Research Abstract |
(方法)全麻下、人工呼吸下のビーグル犬を開胸し、心臓に達した後、まず^<13>NH_3を用いたpositron emmision tomography(PET)にて局所血流を測定し(梗塞前)とした。次に左前下行枝を第一対角枝の末梢で結紮し心筋梗塞(MI)を作成した。その後再びPETで局所血流を測定した(梗塞後)。コントロール群はその後閉胸し麻酔を覚醒させた。一方レーザー群は心筋梗塞部にCO2レーザー55wattで1/cm2の割合で平均10箇所に左室腔に達する穴を開けた。その後にPETで局所血流を測定(レーザー後)、その後閉胸し麻酔を覚醒させた。その後は2週間、2ヶ月後の2回PETによる局所血流測定し、屠殺し心臓を組織顕微鏡検査のために摘出した。酵素学的測定法を用いてMatrix Metallo-proteinase(MMP),platelet-derived endothelial cell growth factor(PDECGF)を測定。またFactor IIIによる微小血管数を測定した。(結果)^<13>NH_3の吸収量を非梗塞部位との比で計算し、それを梗塞前値を100%として表すと、コントロール群では梗塞後、2週後、2ヶ月後は25%、62%、49%でありレーザー群では梗塞後、レーザー後、2週後、2ヶ月後は36%、29%、73%、67%と両者間で差はなかった。またレーザー後は局所血流は増加しなかった。組織学的検討ではレーザーで開けた穴は2ヶ月後完全に開存しているものはなく、肉芽組織、繊維組織で満たされていた。穴またはそれに接して多くの新生血管の造成が認められた。MMP-2,MMP-9,PDECGFは梗塞部位で産生が増し、レーザー群はコントロール群と比較し優位に高値を示した。微小血管数はレーザー群はコントロール群と比較し優位に高値を示した。(結論)レーザー心筋血行再建術(TMLR)は急性期の心筋の局所血流を増加させなかった。穴は2ヶ月後では完全に開存しているものはなく肉芽組織で閉塞していた。TMLRはMMP、PDECGFなどの発現により微小血管新生を優位に促進した。
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