1999 Fiscal Year Annual Research Report
ラット心筋細胞における蛋白燐酸化酵素Cの活性とその心筋保護作用に関する研究
Project/Area Number |
09671379
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
黒田 弘明 鳥取大学, 医学部, 助教授 (70186550)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 成人 鳥取大学, 医学部, 助手 (30291462)
石黒 眞吾 鳥取大学, 医学部・附属病院, 講師 (70212868)
|
Keywords | ischemic preconditioning / PKC / 単離心筋細胞 / 虚血再灌流 |
Research Abstract |
本年度の研究内容としては,実際の短時間の虚血を用いたischemic preconditioningにおいて,どのような機序でPKCが活性化され心筋保護効果をもたらすかという点について実験を行った. 対象及び虚血再灌流モデルとして,これまでと同様に8週齢のWistarラットより単離した心筋細胞を用いてNaCNによるchemical Hypoxiaを行った. 実験群としてランゲンドルフ装置を用いて単離前に5分間の虚血と、10分間の再灌流を行った Whole heart群,単離後にchemical Hypoxiaによる同様のpreconditioningを行ったChemical群,phorbol easterを用いて薬物的にPKCを活性化したphorbol群及び対照群を設定した. これらの単離心筋にPKCに対する蛍光指示薬fin-1を用いてPKCの局在を観察すると,whole heart群とphorbol群でtranslocationが見られ,PKCの活性化が確認された.それに対し,chemical群と対照群では明らかな変化が見られなかった.実際に虚血再灌流を行ってみても,whole heart群とphorbol群のみにpreconditioning効果が見られ,Ca^<2+>の過負荷や過収縮が抑制された. これらの結果よりischemic preconditioningによるPKCの活性化には,ATPの欠乏のみでは不十分であり,細胞内外で何らかのchemical mediatorの存在が不可欠であることが示唆された.文献的にはinsulinや,H^+preconditioning効果をもつ物質が報告されており,今後さらなる研究が必要である.
|
Research Products
(1 results)