1997 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトへの異種心移植を成功させるための核移植を用いたドナーブタの作成
Project/Area Number |
09671389
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
谷口 繁樹 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (90183467)
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Keywords | 心臓移植 / 異種移植 / 遺伝子導入 / gene gun / α 1-3 galactosyltransferase knock out |
Research Abstract |
平成9年度には本助成により、次の3つの内容に関し研究を行った。(1)ブタの細胞におけるα 1-3 galactosyltransferase knock outの研究:α 1-3 galactosyltransferaseの中央部分約300bpを制限酵素で欠失させ、それにネオマイシン耐性遺伝子とHSV-Ekを組み込んだRecombinant Plasmid Vectorを用いてネオマイシン耐性遺伝子を結合させ、3'末端にはチミジンキナーゼ遺伝子を結合させる。この遺伝子をブタのcell lineに導入し、ネオマイシン及びガンシクロビルを添加した培養細胞液内で両薬剤耐性細胞をクローニングし、サザンブロットによりα 1-3 galactosyltransferaseの欠失を確認、IB4 lectinによるFACS analysis、ヒトのserumに対するcytotoxicityの検討を予定している。現在のところ最適なベクターを作成中であり、まだノックアウトには至っていない。(2)ラット心臓移植におけるEx Vivo遺伝子導入:ラットの摘出心に対し4℃、60分という条件下でアデノウイルスをベクターとしてEx Vivo遺伝子導入を行い同系ラットに移植した。その結果、安全にかつ効率よく導入できることを示した。(3)遺伝子銃法によるIn Vivo遺伝子導入:non-vira1な遺伝子導入法として遺伝子銃法があるが、本法で心臓へのIn Vivo遺伝子導入を行った報告は未だない。そこで、ラットの心臓に対し本法にて遺伝子導入を行った。その結果、導入が可能であっただけでなく1ヶ月後でも発現が持続していた。現在さらに長期の発現を検討中である。
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