1998 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトへの異種心移植を成功させるための核移植を用いたドナーブタの作成
Project/Area Number |
09671389
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
谷口 繁樹 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90183467)
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Keywords | 心臓移植 / 異種移植 / 遺伝子導入 / gene gun / α1-3galactosyltransferaseknockout / EB-Virus episomal Vector / 凍結保存異種組織移植 |
Research Abstract |
平成10年度には本助成により、次の4つの内容に関し研究を行った。(1)ブタの細胞におけるα 1-3galactosyltransferase knock outの研究:α-gal knock out Pigの作成開発を目的とし、α-gal epitopeを欠損したブタのcell lineを樹立することをめざした。Materialはブタ内皮細胞由来のcell lineとし、ネオマイシン耐性遺伝子およびチミジンキナーゼ遺伝子を結合させることによって、selectionする事を試みた。しかし、現時点では、α-Galのknock outには至っていない。(2)Gene Gun法によるIn Vivo遺伝子導入に関する研究:EB-Virusepisomal Vectorと、conventionalなplasmid vectorを用い遺伝子導入実験を行った。その結果、EBV-vectorでは最長6週間発現した。また、他臓器に導入遺伝子は検出されなかった。以上よりGene Gun法による心臓へのin vivo遺伝子導入は有用な方法と考えられ、EBV-vectorは、導入するプラスミドの発現持続に関与することが考えられた。(3)ラットに対するEB-Virus episomal Vectorを用いたIn Vivo及びIn vitro遺伝子導入に関する研究:導入後短期間ではEBV-vectorの方がいずれの培養細胞においても有意に酵素活性が高く、in vivoの検討にてもEBV-vectorの方が強く発現していた。以上より、導入後短期間において、EBV-vectorはより強く発現させうることが判明した。(4)凍結保存異種大動脈弁、臨床使用の可能性についての実験的検討:ブタ-イヌの異種移植モデルにて凍結保存大動脈弁の移植実験をおこなった。光学顕微鏡所見・走査電子顕微鏡による検索の結果、異種大動脈弁は凍結保存することにより免疫原性が低下すると考えられ、凍結保存法の変更と確立などにより、臨床応用も可能であると予想された。
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