1998 Fiscal Year Annual Research Report
左室Volme reduction therapyの心収縮力改善効果に関する研究
Project/Area Number |
09671397
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
八田 光弘 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00167587)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大加戸 彰彦 東京女子医科大学, 医学部, 助手
野々山 真樹 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40201701)
|
Keywords | Batista 手術 / Wall Stress / 酸素消費量 |
Research Abstract |
本研究は家兎の摘出心を用いた独自のモデルを用い,過度の容量負荷をきたした左室の容量の縮小過程における病態生理を左室酸素消費量及びwall stressの面から検討をおこなった。。 [方法]体重3-4Kgの家兎の心臓を摘出し,Langendorff装置にて37℃酸素化Krebs-Henseleit液を用い灌流し,non-working modeとした。左室容積の変化をシミュレーションするため,左室内にバルーンを留置した。まずEDPが5-10mmHgを示す状態にバルーンを拡張させコントロールとした。バルーンをコントロールでの容積の200%まで拡張させ,次にバルーンを約30%ずつ縮小させ,最終的にコントロールまで戻した。各段階では血行動態が安定するまで5-10分間定常状態においた。左室内バルーンによってEnd-diastolic pressure,Systolic pressure,Heart rateを測定した。また超音波素子を1対左室壁を挟むように壁内外に留置して左室壁厚を測定,もう1対を左室全体をその最大径で挟むように外壁に留置して左室径を測定した。なおバルーンが留置されていると直接左室に素子を留置しても超音波が阻害されるため,間接的に変化を伝える装置を考案した。これらをポリグラフを用いてreal timeに同時記録した。また灌流前後の流入液,流出液を採取してそれぞれのoxygen contentを測定し,流出量よりcoronaey flowを測定した。これらの測定値を用いてdouble product, oxygen consumption, end-systolic wall stressを計算した。oxygen consumptionは灌流前後のoxygen contentにcoronary flowを乗じて乾燥重量あたりで求め,end-systolic wall stressは,左室を回転楕円体とみなしたMirskyの式を用いた。 [結果]EDP,Double productの変化は、両者とも200%拡張で著明に増加し,収縮とともに漸減した。flowは200%拡張の段階で激減したが,その後段階的に回復し、心筋壁の拡張が冠灌流を阻害していることが確認された。流入液,流出液のoxygen contentの濃度較差は全過程を通じて有意な変化は生じない。End-systolic wall stressは200%拡張で最大値を示し,収縮とともに徐々に低下し,140%拡張ではコントロールと有意差はなくなった。 これまでの研究から、1)過度の容量負荷は左室内圧の上昇により心筋の微小循環ひいては冠灌流を阻害し,酸素消費量はむしろやや減少する。2)左室負荷容量とwall stressは正の相関を示し,約50%程度の縮小で効果的な減少が図れる、との結果が得られた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] HACHIDA M,: "Mechanisms of exercise response in denervated heart after transplant" Artificial Heart 6. 6. 91-94 (1997)
-
[Publications] 八田光弘: "補助人工心臓と心臓移植の補完的連携" 片目の移植. 11. 323-328 (1998)
-
[Publications] 八田光弘: "心臓移植後冠動脈病変に対するMultiglycosidrw Triptergii:雷光源の有効性に関する研究" Organ Biology. 5;3. 7-12 (1998)
-
[Publications] 八田光弘: "末期心不全に対する心臓移植、補助人工心臓の適応と臨床成績"