1999 Fiscal Year Annual Research Report
難治性機能的脳疾患の基底核-、脊髄-視床-皮質路の病態についての研究
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09671408
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
平戸 政史 群馬大学, 医学部, 講師 (00173245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 章夫 群馬大学, 医学部, 助手 (60261856)
根岸 正敏 群馬大学, 医学部, 助手 (80272235)
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Keywords | termor / n. ventralis intermedius / functional MRI / depth microrecorking / PET scan / central(thalamic) / trigeminal neuralgia / Gamma Knife |
Research Abstract |
振戦例では、視床腹中間核最外側部に運動感覚性神経細胞群が存在し、微小電極法、PET scan により末梢感覚刺激、随意運動施行時、同部に生ずる局所神経活動を捉えることができる。しかし、微小電極法と PET scan では、時間、空間解像力に大きな相違があり、その結果を単純に比較する事はできない。そこで、この局所神経活動の時間的、空間的関係を明らかにするために、 functional MRI(fMRI)による検討を行った。fMRIは1.5tesla MRIを用い、電極刺入面に平行な半冠状断面を設定し、手関節の自動・他動的屈曲、伸展を賦活法として echo planar imaging法により撮像、 cross correlation 法により有意な信号(局所脳血流)上昇部位を検討した。健康成人で手関節の自動・他動的屈曲、伸展を行うと、10例中6例で対側の視床腹外側部と同側の小脳に信号上昇部を認め、この視床腹外側部の信号上昇部位は、過去の定位的視床手術で運動感覚性反応が記録された部位とほぼ一致した。振戦例において、同様の負荷を行うと、やはり、振戦対側の視床腹外側部に7例中4例で信号上昇部位を認め、このfMRI施工同一例で微小電極法を用いた定位視床手術に際し、信号上昇部を中心に運動感覚性反応が記録された。そして、この部を含む治療病巣の作製により振戦は停止した。従って、手関節の他動運動時、fMRI、さらにPET scan により捉えられる視床腹外側部の信号上昇(局所脳血流上昇)は、同じ運動負荷に反応する運動感覚性神経細胞群の活動を反映していることが示唆された。 視床痛例では、視床感覚核病変部、病変周囲の機能異常が疼痛出現の大きな要因であり、この部の治療が疼痛の緩解をもたらすことが示唆されている。 Gamma Knife を用いた治療結果もこれを裏付ける結果であった。又、三叉神経痛に対する三叉神経根の Gamma Knife治療結果も比較的良好であり、本疾患における末梢神経、末梢感覚入力の重要性が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Hirato: "Gamma Knife radiosurgery idiopathic trigeminal neuralgia"Pain Research. 14. 45-51 (1999)
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[Publications] M.Hirato: "微小電極法、PET scanを用いたParkinsos病の外科的治療"機能的脳神経外科. 38. 24-25 (1999)
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[Publications] A.Takahashi: "functional MRIの定位的視床手術への応用"機能的脳神経外科. 38. 54-55 (1999)
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[Publications] M.Hirato: "Gamma Knifeによる難治性疼痛の治療"脳神経外科の最先端. 7 (1999)