• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

1998 Fiscal Year Annual Research Report

脊髄痛覚伝導路の再構築に与える接着因子と神経栄養因子の作用-坐骨神経損傷に誘発される脊髄膠様質のremodeling modelを用いた検討-

Research Project

Project/Area Number 09671413
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

長谷川 光広  金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (70218460)

KeywordsE-cadherin / Schwann cell / Rexed II / αE catenin / αN catenin / β catenin / nerve injury / nociception
Research Abstract

カルシウム依存性接着因子であるE-cadherinは,シュワン細胞の細胞間接着に関与する一方,正常の脊髄では膠様質RexedII層に局在し無髄神経の神経束形成に関与する.坐骨神経を損傷すると一過性にRexedII層のE-cadherinは消失し,末梢側の神経再生と同調して再発現することよりE-cadherinが痛みの一次感覚神経終末の再構築に関与する可能性を示唆する.NGFが膠様質の存在する神経伝達物質substance-Pの発現制御に関わることは知られているものの,一次感覚神経終末の再構築機構は不明であり,E-cadherinとその細胞内結合蛋白であるα-カテニン(E,Nのそれぞれのsubunit),β-カテニンに注目し,脊髄・脊髄神経におけるカドヘリン-カテニン複合体の機能を検討した.
1. イムノブロット解析では,三叉神経,坐骨神経,後根,後根神経節に,E-cadherin,αEカテニンともに発現していた.αNカテニンは大脳,小脳,脳幹,脊髄と後根神経節に発現していた.β-カテニンは検索した全ての組織に発現していた.
2. 免疫組織化学的には,E-cadherinは脊髄のRexed第II層,後根神経節細胞と衛星細胞に,坐骨神経ではシュワン細胞と無髄軸索に発現していた.αEカテニンは,脊髄では中心管の上衣細胞,一部の神経細胞に,後根神経節では神経節細胞と衛星細胞,坐骨神経ではシュワン細胞と一部軸索に発現していた.αNカテニンは後根神経節では神経節細胞と衛星細胞,脊髄では脊髄灰白質全体,とりわけRexed第II層および中心管の上衣細胞に強く発現していた。
3. 抗E-cadherin抗体を用いた免疫沈降では,三叉神経,後根神経筋,坐骨神経においてE-cadherinは,αEカテニンと複合体を形成していたが,αNカテニンとの結合は脊髄を含めていずれの組織においても証明されなかった.
以上より,カドヘリン-カテニン複合体が部位により複数の組合せで複雑に細胞接着にかかわるなかで,αEカテニンは三叉神経,後根神経節,坐骨神経でE-カドヘリンと複合体を形成し,軸索と末梢性グリアの接着ならびに細胞内のシグナル伝達を制御するものと思われた.

URL: 

Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi