1998 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤感受性遺伝子導入による悪性脳腫瘍に対する遺伝子治療
Project/Area Number |
09671425
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田宮 隆 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (50252953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 泰裕 岡山大学, 医学部, 助手 (40294409)
古田 知久 岡山大学, 医学部・附属病院, 助教授 (30181457)
松本 健五 岡山大学, 医学部, 助教授 (10190521)
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Keywords | gene therapy / adenovirus vector / brain tumors / chemosensitivity gene / cytosine deaminase / 5-fluorocytosine |
Research Abstract |
平成10年度の研究とその実績について報告する。 1) アデノウイルスベクターの改良、開発 脳腫瘍細胞に対する遺伝子導入効率を高めるために、強力なCAGプロモーターを用いたアデノウイルスベクター(AdexCALacG)を作成し、脳腫瘍細胞における遺伝子導入を検討した。In vitroでの遺伝子導入効率は、培養9L細胞では、MOI=25以上で2日以内に100%の導入が得られた。ラット脳腫瘍モデルでの検討では、AdexCALacZの腫瘍内注入4日後には、腫瘍全域にLacZ染色細胞が認められ、特に腫瘍辺縁部は濃染した。この結果は、脳と神経 50(8):731-738,1998に掲載された。現在、さらにアデノウィルスのファイバー・ノブ・蛋白部分の変異体を作成し、脳腫瘍に対する遺伝子導入効率を検討している。 2) 5-fluorocytosine/ cytosine deaminase遺伝子療法の研究 上記のアデノウイルスベクターを用いた遺伝子導入により、5-fluorocytosine/cytosine deaminase遺伝子療法の有効性及び副作用を、9Lラット脳腫瘍モデルを用いて検討した。この遺伝子治療は、脳腫瘍に対し非常に有効であったが、正常脳に対する神経毒性も軽度認められ、腫瘍選択的導入の必要性が示唆された。この結果は、Cancer Gene Therapyに掲載予定である。 上記結果をもとに、種々の薬剤感受性遺伝子を組み込んだ改良型アテノウイルスベクターを作成し、脳腫瘍に対する薬剤感受性遺伝子治療の検討をさらに行う予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 市川智継: "Adenovirus vectorによる実験的脳腫瘍への遺伝子導入の検討" 脳と神経. 50・8. 731-738 (1998)
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[Publications] Shinichiro Mizumatsu: "Expression of cell-cycle regulator p27^<Kip1> correlates with survival in patients with astrocytoma." Clinical Cancer Research. in press. (1999)
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[Publications] Tomotsugu Ichikawa: "In vivo efficacy and toxicity of 5-fluorocytosine/cytosine deaminase gene therapy for malignant gliomas mediated by adenovirus." Cancer Gene Therapy. in press. (1999)