1998 Fiscal Year Annual Research Report
単球を担体としたヒト悪性グリオーマに対する遺伝子ミサイル療法の開発
Project/Area Number |
09671431
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
竹島 秀雄 熊本大学, 医学部, 助手 (70244134)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 義樹 熊本大学, 医学部, 助手 (50304994)
西 徹 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (00264309)
河内 正人 熊本大学, 医学部, 助教授 (70178218)
生塩 之敬 熊本大学, 医学部, 教授 (20028583)
|
Keywords | MCP-1 / monocyte / CCR2 / Oct-1 / C / EBP / promoter / gene regulation / glioma |
Research Abstract |
半球特異的ケモカインMCP-1を発現している悪性グリオーマなどの腫瘍局所に単球を特異的かつ効率的に集積させ、腫瘍の増殖を抑える方法を開発するために、本年度は単球上のMCP-1受容体(CCR2)の発現を上昇させる手段についての検討を行った。その目的のために、既にクローニングに成功したCCR2遺伝子のプロモーター領域の構造的・機能的解析を行った。その結果、1) 構造的には、CCR2のプロモーターはTATA boxを持ち、その他にGATA配列、C/EBP結合配列、オクタマー配列などの組織特異的シス配列が多数存在した。2) 機能的には、ルシフェラーゼを用いてプロモーターの様々な欠失変異体や部位特異的変異を導入することで、TATAboxのすぐ上流にあるオクタマー配列と非翻訳領域内に連続して存在するC/EBP結合配列が転写活性に重要な働きを行っていることが発見された。3) さらに、ゲルシフト・アッセイにより前者にはOct-1が、後者にはC/EBPファミリーが結合することを明らかにした(J.Biol.Chem,1999)。これをもとに、CCR2の発現を変化させる刺激についてスクリーニングしたところPMA刺激によりTHP-1細胞はマクロファージへと分化し、発現が完全に消失することがわかった。この変化にはOct-1やC/EBPファミリーのプロモーター領域への結合が抑制されることが原因であることも突き止めた。また、最近CCR2の発現を上昇させるとして報告されたIL2の影響も検討したが、我々の系ではほとんど上昇が見られなかった。
|
-
[Publications] 竹島秀雄、他: "ヒト単球遊走因子受容体の発現調節機構の解明" 神経免疫研究. 10. 142-145 (1997)
-
[Publications] 竹島秀雄、他: "MCP-1受容体遺伝子のプロモーター領域の機能的解析" 神経免疫研究. 11. 68-73 (1998)
-
[Publications] Takeshima,H.et al.: "Monocyte chemoattractant protein-1(MCP-1)derived from human malignant glioma Biologycal meanings of its expression and application for the treatment of malignant glioma." Research Trens. in press. (1999)
-
[Publications] Yamamoto,K.,Takeshima H.,et al.: "Cloning and functional characterization of the 5'-flanking region of the human monocyte chemoattractant protein-1 receptor(CCR2)gene." J.Biol.Chem.274・8. 4646-4654 (1999)